今住んでいる所の近くにある、とある施設の公共トイレなんだが、当時、地元では自殺の名所。
夏が近くなると、必ず一人はそこで・・・ってくらい。

その日は友人三人と遊びに来てたんだが、たまたま現場を発見。
個室で男性が、こちらに背中を向けて、首を吊って氏んでいた。
大慌てで警備員さんを呼んで事情を説明し、軽い事情聴取を警察でされて、解散することになった。

その数日後、友人の一人(仮にTとする)の様子が明らかにおかしい。
理由を聞いてみると、どうやら面白半分で携帯で写メを撮ったらしい。
ただ、日を追うごとに、背中を向けているはずの男性が、ゆっくりこちらに振り向いてきているそうだ。
確認してみると、確かにこちらに振り向いて来ていた。

二人で呆然としていると、そこにその時一緒にいた、もう一人の友人(仮にMとする)がやってきた。

Mはその写メを見て、「あぁ、やっぱり面倒なことになってるな・・・」と。

M曰く、Tが写メを撮っていることを知っていたらしい。
ただその時、男の氏体がニターッと笑ってTを見ていたので、「絶対、面倒なことになる」と、ほぼ確信していたそうな。

MはTに「なんとかするが、携帯は諦めろ」と告げ、携帯を借りていくと、そのままその話はおしまい、ということになった。

その後は、特に何事もなく、Tも平穏無事に生きている。
ただMが仕事を片付けた後、「こういうのは面白半分ですると、必ず痛い目を見る。一人で死ぬのは誰だって寂しいから、大抵、道連れが欲しくなるんだよ」と、何か嫌な物を見るような顔で話してくれた。