幼児の記憶を侮ってはいけない。

うちの子が小学校高学年の時、何かの話題のついでに「私、保育園の頃キャンプ行ったよね?川の近くの。あの時、黒い犬いたよね」と話し出した。

確かに2歳の時キャンプは連れて行ったが、犬などは連れても行かないし、キャンプ場にもいなかった。

一瞬、小さい子どもの10年も前のただの憶違いだと思ったが、なんか気になって、じっくり、親としての記憶をたどってみた。

封印が解けたように思い出した。
確かに「黒い犬」の存在はあった。

キャンプ場ではなく、駅からキャンプ場に行くまでの長い川沿いの道の、全然関係の無い民家の前につながれていたのだ。

駅から歩きで、我々親子はもともと時間より遅れての参加だったので、私は早くキャンプ場に着きたかったので、「黒い犬」と遊び始めた子どもをたしなめて、手を引いてキャンプに向かったのを思い出した。

親はキャンプ参加のイベントはしっかり記憶していたが、そこから逸れた行動は記憶からすっかり排除していた。