この間、観光で神奈川県の津久井湖に遊びに行ったんだ。

まぁ男2人でのドライブだったんだが、津久井湖を一望出来る駐車場があったのでそこで、休憩を取ることにした訳だ・・・。

俺は湖を背にして友達と会話してたんだ。

当然友人は、湖の正面を見ていることになる。

普通に会話していたら、友達の視点がおかしい・・・。
目が泳いでいる感じ、自分ではなくその先の湖に視点が集中している。

振り返って見たが何も無い。
そこで、友人にどうかした?と訪ねてみた。

友達「なぁここの湖って泳いでいる奴いるの?」

俺は「確かに夏だが、この時期に津久井湖で泳ぐ猛者は居ないだろ。それに、半端なく汚いし・・・」

友人「いやそれは、俺もそう感じてたんだけど、今さっきはっきりと首だけ出してこっち見てたんだ・・・ほら・・・」

俺は背筋が一気に寒くなって振り向いた・・・。
確かにいる。

首と上半身が出てこっちを見てる。
しかし何かがおかしい。

上半身は水深の割に出過ぎているし、第一崖しか背後に無い。

こいつどっから、現れてきたんだ?

しかもまったく動かない・・・。
普通立ち泳ぎしていたら普通は上半身動くだろ・・・。

真っ昼間なのに、寒気が止まらなくなってきた。

近くに、誰か居ないか人を探すが、昼間のこの時期に津久井湖にくる物好きはそうは居ない。

そうこうしている内に“そいつ”がすーっとこちらに段々よって来た。

湖面から、首だけが静かにこっちに動いて来る。

近ずくに連れて、顔が段々と見えてくる・・・。
見たくはないが視線を外せない・・・。

口が裂けてる、というか下あごが腐って落ちてる

突然ちゃぷんという水音と共に首が沈んだ。

自分「何だいまのは?」

友人「ボートレンタルしてるからあの場所まで行ってみるか?」

心底勘弁してくれと懇願した。

こいつは昔からだが、恐怖の神経が麻痺している。