当時高校生だった私は毎日部活に明け暮れ、家に帰ったらお風呂に入って夜飯を済ませると就寝してた。
部活熱心な高校生ならここまでは普通のことだと思う。
だけど自分は少し違った。

それは1週間に1回、多い時は2日に1回金縛りに遭うことだ。
先祖代々同じ土地に住んでいて理由は分からないが、1ヶ月に2回家の周りをぐるりと塩を撒き、家族で定期的にお祓いを受けに行っていた。

金縛りは中学生の頃から始まって社会人になった今でも1週間に1回は金縛りに遭う。

ここからが洒落にならない話なんだが、私は布団を鼻の上まで被らないと眠れない人で、それは夏だろうと冬だろうとそうやって眠っていた。

高2の秋くらいだったと思うがいつも通りベッドに入り眠りについた。

そしていつもの金縛りがきた。
文章では説明しにくいのだが、いつも右腕に思い切り力を入れて体を左にひねると金縛りが解けていた。

何年も金縛りに遭い続けると慣れてしまうもので、また今日も始まったか程度で右腕に思い切り力を入れて体をひねろうとした。

その瞬間、右腕に激痛が走り金縛りも取れず唸っていた。
目は開いていないのに天井がなんとなくだけど見えて、鼻まで被った布団がゆっくりと下に下がっていく。

体も動かないし目も開かない・・・。
布団が膝くらいまで下がった時に目だけ開くことが出来た。

今でもはっきり覚えているが白い顔をした女が居た。
私の目を蛇のように睨んでいた。
そこでハッと目が覚めた。

はぁ・・・夢か、と思っていたら布団がベッドから落ちている。
私は寝相は悪くないのでこんなことが有るはずがない。

怖くて中学生の弟の部屋に飛び込んで寝たのはここだけの話。
この女を見たのはこれっきりだった。

何がしたかったのか、何を伝えたかったのか全く分からない。
両親にこの話をしても、ただ寝ぼけていただけだろうと笑われるだけだった。