みんなイタズラだの宗教だの精神病だの意見を交わしてした中で、『それは自分の近所に住んでるおばあちゃんの仕業だった』なんて言うやつが現れたんだ。

なんでもそいつが言うには、犯人のばあさんは大阪の八尾市の人間で、ビニール紐事件のあった東大阪市の鴻池新田まで、毎日バスやらタクシーやらで通いつめてたらしい。

最初の頃は大和川の大正橋にある看板等にビニール紐を結んでたのがエスカレートしたらしく、鴻池新田はテレビの放送もあって役所が片付けたらしいけど、大和川沿いは今(2007年ね)もそのままの状態なんだと言ってた。

細かい内容はあんまり憶えてないがそんな内容だった。

偶然にも当時俺は八尾市に住んでたもんだから、そいつの言う大正橋まで行ってみたんだ。

夜中に一人で行ったもんだから結構ビビってたけど、近くのラブホの存在が心強かったのはよく覚えている。
で、実際現地を見回すと本当にあったのよ。
かなり古そうなビニール紐が、看板や標識にそこそこの密度で結ばれてた。

「掲示板にも本当のことを言う人っているんだなー」なんて感心しながら帰って寝たんだけど、次の日玄関に出ると、俺の自転車に透明のビニール紐が結ばれてんの。

オカルト的な怖さではなく、イタズラ目的か何かわからんが夜中に家までつけられてたのが恐ろしい。