自分でもおかしいと思うんだが、『あぁ、ここの家の人明日死ぬなぁ』っていうのがわかる。

ただしご近所さんに限るが。
人単体じゃまったくわからないんだけど、その人の家を見ればわかる。

なんでわかるかっていうと、くねくねの黒バージョンみたいのが跳びはねたりうねうねしたり、明らかに人間じゃない動きをする、そんな奴が翌日死ぬ人の家の屋根で現れるからなんだ。

最初みたときは何なのかわからなかったが、人じゃないことだけはわかった。

翌日、“それ”を見た家に「忌」の字が掲げてあったから、嫌な偶然だなぁと思ってたら数年後同じものを見た後に、そこの家の旦那さんが亡くなったことから、偶然じゃなかったことを知った。

しかしまぁ、自分の母親が死ぬ前の日に真っ赤な夕焼けを背に、家の屋根の上でピョンピョン跳ねてるそいつを見た時は、全体の細胞が悲鳴をあげるほど恐かったがな。

嫌な経験だった。