その日は、お昼から深夜まで近所の人たちやらが集まってBBQを幼馴染の家の庭でやっていた。
夜の九時前くらいだったと思う、ニンテンドウー64が出始めで、当時の僕(たぶん小4)が本体を持っていた。

お酒も飲めない子供は基本飽きているのは当然で、僕の家から64持って来て幼馴染の家でやろうと言う話になった。

幼馴染の家はT字路を曲がって直ぐの所で、僕の家からは300m位の場所にある。
無駄にテンション高くキャッキャと走って向かったが、僕の家の玄関に着く時には二人とも口を閉じ逃げるように家に入った。

僕の家は十字路に面して立っており、その十字路には街灯が点灯している。
その街頭の下に髪が長くて黒いワンピースを着たずぶ濡れの女性が立っていた。
僕らに背を向ける形で俯いてただ立っていた。

僕と幼馴染はとりあえずヤバイと察知したのか、家に入って二人で二階に駆け上った。
そこで、「今のは何?」と二人で話し「たぶん御向いさんの人がタクシーを待ってる」と言う意見で結着がついた。

しかし、なんか怖さはある。

とりあえず64を担ぎ込んで、早く幼馴染の家に戻る事となった。
打ち合わせはしていないが、玄関開けたらダッシュと意志の疎通が取れており、コントローラーなどを持っていた幼馴染は、玄関を開けて即ダッシュ。
その後を追えばいいモノの僕はアダプターを落としてしまった。

幼馴染は角曲がって居ない・・・。
落としたアダプターを拾って僕もダッシュしようとしてるがテンパっていて、その時ふいに十字路の街頭を見てしまった。

先ほどと変らず同じ姿勢でその女性は立っていた。
この時の事は一瞬にして記憶に残ったのだが、女性はずぶ濡れなのに地面は今思えば濡れてない。
そもそも昼からBBQをするほど快晴。

「なんで濡れてるの?」と頭で思ってしまい、その女性をジッと見たんだと思う。
そしてゆらっとその女性が動いた瞬間に、僕は咄嗟にダッシュしその場から逃げた。

先に家に付いていた幼馴染はコントローラーを玄関に置き、幼馴染の姉を連れて着ていた。
僕も64を置いて、早く来て!変な奴居ると言って、姉を先頭に十字路に戻ったけど、その時には、もう女性は居なく、僕らのあわてぶりを見た姉は爆笑していた。

そこで僕は街頭の下まで行ってここにいたとか、幼馴染と説明したのを覚えていて、やはり地面は濡れては居なかった。

それからかなり時は経ち、中学2年の夏になった時期である。
この時には僕は遅刻魔として先生に良く注意を受けていたのだが、その朝は早くに目が覚めた。

というのも、学校に行く途中の道で鎌をもった何か黒い物体にころされる夢を見たからである。
バッと起きると冷や汗がハンパ無い。

夢で良かったと、胸を撫で下ろしてシャワーに入って、学校に少し早いのだが家を出て向かった。
そんで向かっていたら急に体が重くなり足が進まない・・・。
何だろうと思って足元を見て後ろを振り返ったら、黒い何かが鎌をもって切りつけてきた。

バッとまた目が覚めた。
先ほどと同じ状況である。
この時に夢の中で夢を見るなんて事あるんだと、思い時計を確認。
案の定、一時間目は終わっている時間だ。

溜息交じりに安堵でふぅと息をついて、冷や汗を流すのに風呂に向かった。

先にシャワーを出してから、服を脱いで、風呂に入るとシャワーを背中で浴びている黒いワンピースの女性が立っている。
そして次の瞬間、振り返った僕の方へ向かってきた。

この一瞬の時、僕の頭で「こいつ知ってるヤバイ」と直感的に思った。
そんで向かってきた女性に顔パン。
今思えば本当に酷い事をしたと思う。
女性は少し後退したが追って来る素振りを見せたので、慌てて風呂場から逃げたのだけれども、リビングに出るなり鎌を持った黒い何かに切りつけられた。

バッとそこで目が覚めた。
また夢の中で夢を見て居たようだ。
時間は10:30位だった記憶がある。

ヤバイくらいの汗をかいていて、流石にシャワーに入りたいが、まずもって部屋から出たくない。
もう外が恐かった。

しかし、そうも言ってられないので廊下に出た瞬間にまた黒い何かに襲われた。
んで、バッとまた起きて10:45分くらいだったと思う。

三回も夢の中で夢見たわと不思議な感覚になり、今日学校行ったら友人の女子に話そうとか思っていた。
それから、誰も居ない自宅の中で恐怖を紛らわせるため、「誰か居ますか??ー」とか大声出したり、歌ってみたりして、シャワーをパッパと浴びて学校に向かった。
今で言う死に戻りの夢を見たみたいだ。

それから一年後、また僕は死ぬ夢を見る。

厳密に言えば死ぬかもしれないので死なないように予習する夢だ。
これが不思議な夢で初め見た日から一週間くらい見る事になる。

内容はとある廃病院?的な施設に向かう山道から始まる。
まず初めの数日はその施設に行くまでに、危険な場所を確認することだ。
その確認する場所が一日一日増えて、NGな道が理解できるようになる。

山道から始まり病院は道なりに行けば付くのは知っているが、行く途中に池(湖?)があり僕はそこで足を止める。
するとその池に向かって知らない女性が自ら入って行ってしまう。
僕はボーとそれを眺めて、彼女がもう池から出てこないと確認すると、ボーとしながら真っ直ぐに施設に向かう。

その施設は四角くてたぶん二階建て。
そして施設の部屋を一つ一つ回り、最後に大きい扉(手術室の様な扉)の部屋に入ると、その部屋の真ん中には、よく学校で使われる椅子がポツンとあり、僕はその椅子の前にただ立っている。

ここでいつも夢から覚める。

んで、この次の日からは池の方向はダメだから、こっち。
そして入ってはいけないフェンスの向こう、道の細い山道、など場所を変えて同じ事が続いた。

そして、最後の夢の日、行ってはいけない場所を熟知した僕は、行ってはいけない場所に目もくれずにボーとした足取りで、施設に向かう。

一つ一つ回り、最後に大きい扉(手術室の様な扉)の部屋に入ると、部屋の真ん中にあった椅子が無くなっているのだ。
しかし、いつもの様にその椅子があった場所に行くと、そこにはボロボロのノートの端をちぎった紙が落ちていた。

僕はそれを拾ったのだけれども、何も書かれてなく白い。
何かのメモだと直ぐに直感した。

そして、何も書かれてないはずのその紙には、『僕はここに来る』と書かれていると分かった。

その夢から覚て起きた時は不思議で不思議でたまらない気分だった。
んで、その時に分かった。
あの山道で僕に道を教えてくれてた女性、黒いワンピースの人だってことに・・・。

後日談。

僕はまだ、その場所に行った事は無い。
十年以上も前の事だし、もう行かないのかもと思っている。

しかし、その場所らしき動画を見たときにはゾっとした。
それから、中学・高校を卒業し上京するまで不思議な事は無い。
上京後見た心霊番組で紹介された映像で、どこぞカップルが廃墟肝試ししている所に、首の無い男が雄たけびを上げて走って向かってくる動画だった。
あ、この場所、知ってるし行っちゃダメなところ行ってる・・・と。

あの時は、1人暮らしだったし、動画を見て本当に恐くなったやばかった。
だけど、調べたらあれは作り物と言う説があった。

しかし、あの動画で見た場所は紛れも無く夢に出てきた場所であるとなんの確証もないけど感じている。

そんな不思議な実話です。