ある時、夜中にうなされて家族がとても迷惑しておる女がおった。
私はやたらとそういう人に「友達になりたい」的な告白をされる。

で、社員旅行中にも出た。
だから、女に憑いた霊だったにちがいない。
私は出るとよく目がさめる・・・というか女がうるさかったのもある。
動物が絞められるみたいな声でうなされてた。

彼女の上には角刈りのでかい男が覆い被さっていた。
でも、ご存じのように霊体は紙のようにうすっぺらなので横からみると結構まぬけだ。

私は「こらっ」と叱って、はっと振り向いてするすると逃げていくヤシをとっ捕まえようと慌てて手を伸ばした。

ムカデと同じ感触を残して、襖と畳の間のわずかなすきまに逃げて行った。
ムカデを触ったことのない人も居ると思うので説明すると鎖が一番近い感じだ。
冷たい鎖のような感じで、触れているのにつまめないのだった。
今度出たら、必ず捕まえると言ったのに、その後出ないらしい。

ちょと残念。