獣医のヘザー・ベーコン氏は、保護されたクマのさまざまな病気や怪我を診てきたが、「ニャン・フトゥー」のような症例は見たことも聞いたこともなかった。

ニャン・フトゥーは、ミャンマーのタバワ動物シェルターに保護された生後18カ月のツキノワグマだ。
ピンク色のメロンのような巨大な舌が口から垂れ下がり、アゴは閉じられない。
それどころか、舌を引きずって歩いていたため、バイ菌を舐めてしまうし、舌は傷だらけだった。

巨大な舌のせいで、ニャン・フトゥーは餌を食べるのも難しく、シェルターで一緒に保護されている兄弟と遊ぶこともできなくなっていた。

そこでこの10月、英国エディンバラ大学ロイヤル(ディック)獣医学部のベーコン氏をはじめとする獣医師チームは、ニャン・フトゥーの巨大な舌を切除する手術を行った。

野生動物の手術を行うチーム「国際野生動物外科手術」のロマン・ピッツィ氏やミャンマーの獣医師たちの協力を得て、獣医師たちは2017年10月初旬にニャン・フトゥーの舌の切除手術に踏み切った。
舌の重さは3kgほどもあり、手術は4時間におよんだ。

獣医師たちは象皮病の可能性も考えている。
象皮病はフィラリアの寄生によって起こる病気で、手足が極端に肥大することがあるからだ。

象皮病は東南アジアの人々に多い病気だが、クマでは報告されていない。
切除された舌のサンプルは、検査機関に送られた。

ニャン・フトゥーはミャンマーの施設で世話を受けながら徐々に回復していて、今後もそこにとどまることになる。
彼は兄弟と自由に遊べるほど元気になり、新しい食物にも興味を示しはじめている。

映像
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/17/103000419/
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