母から面白い話を聞けた。

母が小学3年生の頃、コックリさんが流行ってたそうで、ミーハーな母は友達に誘われて皆でやろうとなった。
放課後母を含め5人が集まり、ありきたりに図書室でやることにしたそうだ。
母はその時、母親(私にとって母方の祖母)からもらったお守りをなんとなくポケットに入れて行った。
皆さんご存知の鳥居と供え物と平仮名などが書かれた用紙、10円玉を用意していざ図書室へGOした。

図書室にはまだ人がチラホラ居て少し賑わってたそうで、母達は図書室の奥にある周りに誰も居ないテーブルでやり始めた。
「コックリさんコックリさんお越し下さい。お越しになられましたら『はい』の方へとお進みください」

しばらく10円玉も動かず何もなかったらしいんだけど、母友Aが「やめよっか」って言った瞬間に『いいえ』の方に動いた。
本当に動いた!ってはしゃいで母たちは、ルールを守りながら色々質問したらしい。
誰が誰を好きなのかとか小学生らしい可愛い質問だったらしい。

一通り質問して答えてくれて満足した母たちは終わりにしようと思って、「コックリさんありがとうございました。お帰り下さい」と皆で唱えた。
そうしたら10円玉は『いいえ』の方に向かって行って、その後に『だれかひとりともだち』って動いたらしい。
母たちは怖くなったけど、10円玉から指を離さずずっとお帰り下さいと唱えた。

『いいえ』から離れなかった10円玉もゆっくり鳥居に向かっていって、やっと儀式は終わった。

ホッとした母たちは10円玉の処分について話し始めた。

話し合って、神社の賽銭箱に入れようと決まって、図書室を出ようとした時に、周りには自分たち以外人が居ないことに気が付いた。
母たちはさっきより怖くなって図書室を出て帰ろうと思ったが、母友Bが教室に忘れ物をしたということで皆で取りに行くことにした。
教室までの道のりは人が居ない分独特の雰囲気で怖い・・・。
夕方に一人忘れ物を取りに行く体験したことがある人はわかると思う。

母たちは教室に着くと、母友Bに急いで忘れ物を取ってこさせ教室を出ようとした。
その時、母友Cが「ヒッ」と小さく悲鳴を上げた途端、四つん這いになって教室内を歩き始めた。
他の4人は急なことで理解できず、唖然と母友Cの奇行を見つめた。
1分くらい母友Cを眺めて我に返ると、母がまず「Cちゃん・・・?」と声をかけた。
その声に母友Cは反応し、母たちの方を見たと思ったら襲いかかってきて母友Dに噛みついた。
皆パニックになり母友Cを突き飛ばすと職員室まで猛ダッシュ!
担任の先生に助けを求めた。

先生は「遅くまで何をしてるんだ!早く帰れ!」と母たちを叱った。

必死にさっきの出来事を訴えている母たちに、先生はため息をついて・・・。

先生「Cはそこに居るし、お前らは何がしたい」

母たちが振り返ると、母友Cがビックリした顔で、「え、何?どうしたの?帰らないの?」と言ってきた。
母友Cは訳がわからないという顔で母たちを見つめていた。
仕方なく先生に言いくるめられて帰ることにした。

母友Cに怯えながらトボトボ下駄箱に向かう。
母友Cは普通に話しかけてくる。
母たちは“さっきのは気のせいだったのか”と思い始めたときにチャイムが鳴った。

その瞬間、母友Cがまた豹変し、四つん這いになったかと思ったら下駄箱の上に飛び乗った。

唖然とする母たちに、母友Cは「友達ィ・・・バイバイィw」と言って気味悪くニタァと笑った。
母友Cの豹変ぶりというか、母友Cは母友Cじゃないモノになったとわかり、恐ろしくなって母たちは逃げ出した。

母友Cは追ってくるわけではなく、「友達ィ・・・友達ィイ・・・」と呟きながら下駄箱の上を四つん這いでぐるぐるしてたらしい。

翌日、母たちは学校に行くと母友Cは休んでいた。
最初に襲われた母友Dは噛まれた所に歯形の痣が出来ていて、見ると人の歯形には似つかないモノだった。
そして皆、狐のような動物に追いかけられ、その動物は「あのこもってく」と言って消えた夢を見ていたことがわかった。
母たちは昨日の出来事は夢でも気のせいでもないと話し合い、放課後神社の賽銭に10円玉を投げ入れ、母友Cの家に見舞いに行った。

母友Cはあの後、見回りの先生が下駄箱に来た時に襲いかかって捕獲されたそうだった。
母たちはコックリさんをしたことなどを母友Cの母親に話すと、すぐに皆でお払いに行くことになった。
夜、4人は母友Cの母親に連れられ、怪しそうなババアに会わされた。

ババア「この子らは大丈夫だわ」

母たち4人はそう言われ、よくわからないお経みたいな呪文を唱え、塩をぶっかけられ、背中をバッチンバッチン叩かれ、生ぬるくて変な味がする水を飲まされ帰らされた。
そして帰り際、ババアは母に向かって、「あんたは強いからあの子に跳ね返ったんだよ」と後味悪いことを言った。
その後、母友Cは学校に来ることもなく会うこともなく、コックリさんは学校で禁止になった。

そして月日は流れ、母友Cを除いた4人はいまだに付き合いがあるのだが、「ここ最近、母友Cを見かける」と噂になっている。
ご近所さんと談笑していたり買い物していたり、普通に日常生活を送ってるように見えるけど、顔は狐のような気味の悪い顔つきらしい。

母友Dに孫が出来たとかで電話してたら思い出したらしいお話でした。

ちなみに母は怪しそうなババアについて、「冝◯愛子か下◯シ子に似た雰囲気だったよ。うさんくせぇなーってお母さん思ってたw」と言っております。