今から20年程前の10月頃の事。

その日は残業で遅くなった。
通勤でいつもの山道を車で帰宅途中に小便がしたくなってきたが、夜になると車通りも全くなくなる真っ暗な山道・・・。
車を止めてするのも嫌なんで、少し先に行った所にある某自然公園付近トイレで用を足そうと車をはしらせていた。

自然公園と言っても何もなくて、ただ駐車場とトイレと遊歩道があるくらい。
トイレ前に車を横付けしようと近づくと、トイレからぼんやりと洩れる灯り。
見るとトイレ前駐車スペースが濡れて水溜まり状になってるのが見えた。

車を停めずに徐行しながらその濡れている場所に車を横付け。
車窓から確認すると、水溜まりではなく、それは赤黒く地面に付着した大量の血液の様だった・・・。

その瞬間、背筋に悪寒を感じた。
辺りを見回しても駐車場や付近の道路に駐車している車や人も居ない。
その血溜まりの様な跡を再び見ると、トイレ方向まで血痕の様に続いているのが見えた。
更にトイレの中に誰かいるのかわからないが、気配を強く感じた。

早くこの場から離れた方がいい!

そう直感し車を走らせ駐車場出口付近で後ろを振り向いてた。
するとトイレからぼんやり洩れる逆光で真っ黒な人影がトイレ前に立っていた。
そして、こちらに走って追いかけて来るのが見え車を急発進させ逃げた。

その後は最寄の警察署に行きトイレを貸してもらい事情を話した。

2名の警官とパトカーに同乗し現場まで同行したが、なんの痕跡もなかった。