知り合いの父ちゃんの話。

その人の家系は、沖縄で霊媒師みたいなことをやっていたそうだ。
それに関係しているのかはわからない。
その父ちゃん、体が悪くて(病名までは聞かなかった)何年も寝たきり。
何度も「今夜がヤマだ」という状態になったらしい。

そのたびに、その家で飼っている小動物が死ぬ→父ちゃん持ち越す、を繰り返していたそうだ。
いつものことなので、家族も「そういうものだ」と考えていたという。

ある時、また父ちゃんがヤバいことになった。
運悪く、その時はなにも飼っていなかった。
家族の誰もが「もう駄目だ」と思っていると、窓からセキセイインコが飛び込んできた。
捕まえて籠に入れておくと、案の定その日のうちにインコが死んだ。
そして父ちゃん復活。
その家族にとっては、もはや不思議でもなんでもなく、当たり前のこととして認識されているらしい。

その息子(つまり私の知人)の職業が、焼鳥屋というのはあまり関連がないかもしれない。
たぶん。

その焼鳥屋での私の体験談。

飲み過ぎた日は、奥の座敷で眠らせてもらうことがあった。
その日も、遅くまで呑みちらかして、そのまま座敷で爆睡。
ふと目覚めると、ふすまで隔てられた店内が騒がしい。
まだ賑わっているようだ。

閉店間際の時刻から随分眠ったつもりでいたのに妙だと思いつつふすまを開けると、すでにそこは真っ暗。
しーんと静まっている。
足下に、鍵と一緒に『帰るから施錠しておけ』というメモがあるだけ。
怖くなって、鍵もかけずに逃げ帰った。

翌日、そのことを伝えると、「よくあるよくある」だと。
このオヤジとつきあっていると、こういう出来事も不思議体験じゃなくなる。
他にもあるので、折を見て報告します。