私が中学2年生の時、同じ部活に『自称霊感が強い』と言う先輩がいました。

私は当時、あまりそういうオカルト的なものを信じていなくて、その先輩の体験した話などを半信半疑で聞いていました。

ある夜、私が生まれて初めて『金縛り』というものにあった時です。
怖くて目をつむっていたのですが、なぜかまぶたの裏に禿げた中年の男が映っていました。

怖くてどうしたらよいのか分からなかったのですが、ふと先輩の言葉を思い出したのです。

『もし幽霊を見たら、◯◯町3丁目の××(先輩の名前)の所に行って下さい。って言えば私の所に来るから。大丈夫だよ』

私は一心不乱に「◯◯町3丁目の××さんの所へ行って下さい!」とくり返しました。
しばらくすると金縛りは解け、疲れた私は寝てしまったようです。
翌朝、部活の朝練に先輩は来ませんでした。

昼休みに私を訪ねた先輩は言いました。

先輩「ゆうべ、あんたの所にハゲのおじさんが出たでしょ。あたしの所に来たよ。だから朝起きられなかった~」

私はその言葉にドキッとしました。
ゆうべのことは夢かも知れないと思って、誰にも話してなかったのです。

それ以来私は、霊的な出来事も信じるようになったのです。