小学生のときの話投下。

隣の金持ちの多い市の図書館ではビデオを観ることができたので、家が厳しくてビデオがなかった俺は、時々そこでの鑑賞を楽しみにしてた。

その日は確かロッキー2だか3だかを見ていたんだけど、気が付けば閉館時間間近になって、日もとっぷり暮れている。
当然門限もとっくに過ぎ、半泣きになりながら自転車を走らせていたんだけど、見事に道に迷ったw

かなり焦ったが、線路沿いに走れば間違いないだろうと思い直し、街頭もまばらな線路沿いの道をひたすら走った。
と、前方に大きなマンションが見えた。
道路脇には粗大ゴミだろうかタンスなんかが置いてある。

その前を通り過ぎようとしたとき、「バンッ!」とそのタンスの扉が開き、中から髪ボサボサの女が飛び出してきて、自転車の後輪の上に付いていた荷物置きの部分を掴もうとしてきた。

何が怖いって、女が飛び出した瞬間からずっと、すごい大きな声で「アーッヒャッヒャッヒャ!」って笑ってるわけ。

速攻立ち漕ぎで振り切ったんだけど、女はずっと笑ってた。
もう完全にいっちゃってる笑い声。
俺全泣き。

親や友達に話したところ、たぶん吉外の女乞食だろうということになったので翌日、友達とエアガン持って襲撃に行ったんだけど、そのタンスはもうなかった。
もちろん、その女ももういなかった。

それからしばらくして、あることをきっかけにして霊的なものも色々見ることになったんだけど・・・今考えてみると、あれは本当に人間だったのかな?

だってタンスの扉は完全に締まってたし、なんで俺が近づいたのが解ったんだろう。

そもそも粗大ゴミのタンスの中に入ったりするかな・・・。