新潟の母校・県立高校での事。

吹奏楽部にいたんだけれど、そのある日のこと。
同級生の女子と、向かいあってフルートの音合わせをしていたんだ。
冬の寒い放課後でね。

部室にはその時二人だけだったんだけど・・・お互いの指を見ながらだから下を見ながら吹く事になる。
んでも、さっきから彼女の背後に変な気配を感じてたのよ。
霊を見るときのあのもやーっとした感覚なんだけど。
まぁ、なかば(何かがあると)予想しながらではあるが、音合わせをいったん止めて、お互い顔を上げて見た。

・・・びっくりしたよ。

彼女の頭上に、直径三十センチくらいの女の顔があるの。
な~んともいえない程白く、俺が見えるのが判ったんだろうか?
俺に向けて、ニヤニヤと笑いかけている。

・・・大体、霊が見えるということを、あんまり人に言わないようにしている。
必然、目撃した時の感情や心の動きを、表面に出さないように極力心掛けている。
そんなもんでその時も、何事も無かったかのように、彼女に話しかけた。
ゆっくりした口調で(内心、ションベンモラシーの心境だったんだが)そろそろあがろうかと告げたんですわ。

でもまぁ、彼女にはいっさい告げていないし、とりあえず収まったなと(霊は、俺が目を合わせてから十秒くらいでふっと消えた)、一緒に帰宅したんです。

んでも途中、彼女がこんなこと言い出した。

「さっき一瞬、凍りついたような顔してたけど、どしたの?」

・・・・・・ヤッパソばれてたか・・・修行がたらんなぁ・・・などと思いながら、「いや、根詰めすぎて、一瞬脳から酸素が足りなくなったんだよw」と誤魔化したんです。

ま、ちょっとした後日談があって、東京の大学に通っていた頃、夏休みに帰省したんだけど、先輩達と同乗した車が、その学校に近づいたんだよな。
そしたら、助手席にいた人が「おい!あそこの木の枝の上に白い女が座ってる!」と騒いだんだわ。

校門の脇に、大きな樹があってね、その中腹から横に張り出している樹の枝に・・・全身白い女がいたのがわかった。

同乗者五人中、見えたのは俺と助手席の人だけだったんだよな・・・・・・。
その女が、例の音楽室の人かどうか知らない。

でも、なんかあるには違いないんだろうな・・・。