モト冬樹の兄、エド山口氏の話。

友人と長野へ出かけた帰り、夕暮れ時の霧雨の降る軽井沢付近の峠道を車で一人走っていると、トボトボ歩いている女の子を見つける。

「こんな時間に、この山の中でどうしたのか?」

気になった山口氏は車を停めて事情を聞いてみると、峠を下った麓の家に歩いて帰る途中との事だったので、車に乗せて家まで送ってあげる事にした。

町に入ってしばらくすると、「ここで降ろして」と言ったので、降ろしてあげて再び走り始めると、女の子の居た助手席に可愛いポーチの忘れ物があるのに気が付いた。

山口氏は再び先程彼女を降ろした辺りに戻って、街灯も少ない薄暗い中、彼女の家を探していると、やけにぼんやりと明るい家にたどり着いた。

どうやら葬式らしく大勢の人が居たので、そこで聞いてみる事にした。

玄関に入って、さっきの女の子の話とポーチの説明をすると、そこの主人が出てきた。

主人はポーチをジッと見つめると、「家の娘の物ですが・・・」と言ったまま黙り込んでしまった。

山口氏は仏間に通され・・・そこには笑っている女の子の遺影があった。