私の家は小学校から遠く、登校班で一緒に帰っても1kmは、一人で歩かなければいけない状態です。
そんな私を心配してか、両親は防犯ブザーを買ってくれました。

それが中々特徴的で、ピ◯チュウのフィギィアの防犯ブザーでした。(これが本当にでかい、こぶしサイズのスケールモデルw)

当時ぽけっとなモンスターが大好きだった為、キーホルダーのようにランドセルにつけていました。

そして二年生の時一人で下校していると林の中から、男(が声をかけてきました。

「おじょうちゃん、こっち来て」と。

完全に学校や家で聞いていた「不審者」のパターンであり、私はすぐに、ピカチュ◯のブザーを鳴らしました。
男は大慌てで逃げていき、私は事なきを得ました。

その後、警察やら何やらありましたが、家族は心配して優しくしてくれるし、警官を間近に見れる。
学校でもちょっとした話題の中心になれ、この事件は嫌なものとしては残りませんでした。

それから何年か経って、その出来事も忘れたころたしか4,5年生の時、また同じ出来事に会いました。
あの時と全く同じ林から、知らない男(臨戦態勢)が「ごめん、こっちきて」と、手招きしています。

その頃の私も2回目ということで落ち着いており(どうせなら可愛い子狙えやw)と思っていましたw

しかし気付きました。
ブザーをランドセルの中に閉まっていたのです。

何を思ったのか、私は「ちょっと待ってください」と言って、ランドセルをおろし、ブザーを取り出そうとしました。
男の方もなぜか律儀に少し待ってくれます。
そして、ピカ◯ュウなブザーを取出し、スイッチを入れようとした瞬間「お前かあああああああああああ!!!」と、優しげだった声が、突然低い男の怒声に変わりました。

その目線は、私の手の中の防犯ブザーを見ています。
怖くなり、悲鳴を上げながらも、なんとかブザーを鳴らすと、男は「あああああああああああああああああああああ」と叫びながら、走っていきました。

「お前か」の言葉の意味が分かるまで、しばらくかかりました。

私の特徴的なブザーを知ってる不審者・・・それはつまり・・・。

成人した今でも、あの時の声が離れません。
男性恐怖症とかにはならなかったけれど、あの道を、歩いて一人で通ることはできなくなりました。

あの男、今度こそちゃんと捕まったんでしょうか・・・それだけが心配です。