最近、仕事で個人病院を解体した。

3階建て入院設備もあるので、そこそこの大きさ。
そこは「人が亡くなる」というイメージの薄い科なので、地下や霊安室に相当するような部屋も見当たらず、特に気にしなかったのだが、工事も終盤になって従業員が騒がしい。

「敷地の裏に建っている石柱が嫌な感じだ。近づいたら寒気がする」と。

それを聞いた他の従業員が「あの柱に立ちションしたら(するな)その晩、死んだ親戚、知り合い全員が夢に出て、こちらをジッと見ていた」などと言い始めるので、大騒ぎ。

挙句、うちの従業員のKさんが、応援のS君と仕上げの工事をしていたら「晴れて暑いくらいだったのに、石柱に近づくと凍えるような突風が吹いた。本当に寒くて、慌てて上着を着たくらい。祟られたのかも!!」と怯えているのだ。

実はKさんがそれを言う前に、応援先に「明日もS君お願いします」と連絡を入れたら「S君ね。お宅から帰ってきたら、なんだか急に熱だしちゃって。明日は無理なんじゃないかな」とう返事を私は聞いていた。

でもその前に、廃病院の中を私一人で下見の写真を撮ってるんだよね。
その時は明るかったし、滅多に侵入できるような場所ではないので、1階ずつ丹念に観察してまわったんだけど、嫌な感じはしなかったな。