今年の夏、海に行った時の話。

夜の砂浜で俺と友人A、Bの三人で花火をしてたんだ。
最初は俺達しかいなかったんだけど、少し離れた所にぞろぞろと人影が現れた。

俺達みたいに花火をやりに来たのかなー?って思ったんだけど、時計を見たら午前二時。
これから花火をやろうっていう時間じゃない。
しかも、明りすら持ってないし。

よく見たら、少しずつこっちに向かってきてるみたいだった。

俺:「おい、なんか変な奴らが来るんだけど」

AとBに言ったんだけど、二人とも「はぁ?」って顔をするだけ。
その集団が見えるのは、俺だけみたいだった。

「お前、ユーレイでも見えてんの?」っていうAの言葉に、俺はすごく嫌な予感がして、二人の腕を掴んで逃げようとした。

Bは「え?え??」って感じでそのまま引き摺られてくれたんだけど、Aは「なにするんだよ!」と、Bもろとも俺を突き飛ばす。

結局、俺はAを置いてBと逃げることにした。

砂浜を去る時に一度振り返ったんだけど、人影は七つだった。
月明りを頼りにするしかなかったので、詳細は分からなかったけれど、背格好はばらばら。
なぜか、みんなずぶ濡れだった。

結局、俺とBはホテルに帰って寝たんだけど、朝になってもAは戻ってこない。

例の場所に戻ってみようと思った矢先、海で水死体が見つかったって騒ぎになった。

「まさか!!?」と思って行ってみたら、Aだった・・・。

海で泳いでいる時に足でも攣ったかで溺死したんじゃないか?ってことだったんだけど、俺の頭からは、あの七人の姿がどうしても離れなかった。

帰りの電車では気まずい空気が流れていた。
俺とBはお喋りをするような気になれず、到着まで寝ることにした。

その夢の中で、あの七人が現れたんだ。

正確には、『あの』七人ではない。
なぜか、一番後ろ、つまり、七人目にAがいた。

Aはうつろな目をしながら、濡れた指を俺に向けて言った。

「次はお前だ」