私の知り合いのおじさんが肝臓がんになった。
そのおじさんは家族を旅行に連れて行ってくれたりしていたので、家族みんなで「会いに行かないといけないね」と言う話。

旅行の時は食事代・高速料金を全て払い、「いいよ、いいよ旅行者は楽しみなさい」と笑う笑顔の素敵な70歳の現役タクシードライバーだった。(運転中は急ブレーキは多くわりと怖わめな運転でしたw)

それで飛行機の予約も入れて、家族全員の合う時間に予定を立てることにした。

その飛行機に乗る数週間前、そのおじさんから電話がかかってきた。

電話に出ると、うんともすんとも言わず、プツッと音が切れた。

再度電話を掛け直すも繋がらない。

なんだろう??と思うも、その時は気にも留めず・・・。

私は仕事から帰り、そのことを話すと母親もその電話が来たらしい。
そのときは何か言っている声がしたけれど聞き取れなかったとのこと。

「お願いしますって聞こえた気がするけど・・・なんだろうね?」と母親は言っていた。

そしてその2日後、おばさん(母の姉)からおじさんが亡くなったとのことを告げられた。

3日前に末期肝臓がんで亡くなったとのことを告げられた。

母親は「2日前に私たち家族に電話着ていたけど、それ本当なの?」という話をしていた。

2日前の着信のあった時刻はちょうどお葬式の最中だったという。
誰も電話などしておらず、電源は切れたままだったとのこと。

母親は「怖い・・背筋がぞっとした・・・怖いねぇ」と話をしていた。

でも、実はこのおじさんは母の姉が足が不自由なため、毎日生活用品などさまざまな手伝いをしてくれているおじさんだった。

自宅の外に置かれた椅子などはこのおじさんが作ってくれた・・・とおばさんは泣いて話していた。

「あんなに親切な人はいない!赤の他人にそこまでのことはしないよ!」とのこと。

だからこそ、「この電話は『僕はもういなくなってしまったけど、お姉さんをよろしくお願いします』ってお姉さんを心配した電話だったのかもしれないよ」と私は母親に伝えた。

お姉さんは泣き出して、お母さんは変わらず怖がってる様子だった。
母親がこんなに怖がるのは死者の声を聞いたからなんでしょうか?

それにしても亡くなった後も電話で心配してくれるなんて、素晴らしいなと思います。