おかしな所にいったことある。
車でも体験あるし電車でも。

体験する奴は結構するし、割といるんじゃなかろうか。
前に電車で異変に気が付いた時が結構怖かった。

うたた寝から覚めると何か違和感がある。

景色は結構な田舎なんだ。
レトロな気もする。
電車は名古屋駅から米原へ向かう最中で、一瞬、関ヶ原辺りかと思う程の田舎な景色が広がる。
が、こんな景色は見た事がない。
どの辺りなのか見当も付かない。
強い違和感に窓の外を見つめていているとやはり変だ。

側道がさっぱり見当たら無い。
普通線路の脇には公道があるような気がするが、そうとも限らんか・・・。

それにしても線路のでき方が強引だ。
子供の玩具を床に置いたみたいに。

しかしそんな事をゆっくり考える余裕の無い異常を見つけてしまった。
高架が無い、電線が無い。

普通列車なのに、いったいどうやって疾走ってるんだこの電車は。
状況を理解しようとしたが、まともな答えが見つからない。

まるで土地の上に突然現れたレールの上を電車が無理やり走ってる。
そんな感じ。

電車から見える風景は例えば、田畑の中のあぜ道を散歩している時にぼんやり見る風景。
窓からは見えない、見えてはいけない違和感だらけの風景。
やはり視点が低すぎる。

このまま乗っていて良い訳がない。
それだけは直感でわかる。
直感でなくても誰でも判るに違いない。

皆揃いも揃って寝ている、気の抜けた顔だ。
全く動きがない。
何やら異形な物を見ているようで怖ろしい。

いつのまにか電車は停止していた。
駅らしいがドアが開かない、慌てて隣の車両へ移ってみた。

ドアが開いてる・・・というより普通だ。
日常の光景だ。
元居た車両も普通になってる。

元居た席に戻りたい衝動に駆られた。
どう見ても普通だ。
どうしよう。

居眠りで追突事故起こしたばかりの俺はこのまま電車で目的地に向かいたかった。

思考が混乱しているうちにドアが閉じてしまった。
日常の光景も消えた。

車内にまばらにいる乗客は皆死んでる様にしか見えない。
だめだ失敗した。

咄嗟に、まだ間に合う、何処か窓から飛び降り出来ないか走ろうと窓を見て固まった。

既に物凄いスピードで逆走していて、今まで微動だにしなかった乗客が皆一点を見ている。

服装が、格好が変わっている。
皆薄汚れ、作業着のようなかっこうをしていて、今まで進行方向だった方角をじっと見ている。

程なく視点の先が黒ずんで、真っ黒いモノに侵食されていく。
逃げようと後部車両へ走るが襲う振動がすごく、足はぬかるんだように遅々として動かない。

皆は写真のように表情も変えず口だけを動かしずっと何か言っている。
無我夢中で吠えながら何とか最後尾までたどり着いたものの状況は全く変わらず
迫る闇に吠え続けた。

闇に飲まれる一瞬「くずれるくずれる」という声を聞いた気がした。

目が覚めたらまた異様な空間を走る電車の中だった。
ここを抜け出すのは本当苦労した。