近所に有名な心霊スポットの廃屋があって、そこには超巨大な黒猫の霊が出ることで有名だった。

その黒猫は大きいばかりか祟ることでも有名だった。
私は以前飼っていた黒猫が10キロ越えの巨大猫で、黒猫というのは案外素直な男子という感じの憎めない可愛い子ばかりだと知っていた。

黒い猫ということでどうしても会いたくなって、霊感ありの友人とその廃屋に行った。

私はとにかくなんでもいいから、怖い姿でもなんでもいいから大きい黒い猫に会いたくて会いたくて、半泣きになって名前を呼んだ。

すると友人には見えたらしく、廃屋の黒猫の霊は私の後をずっと鳴きながらついていて「その黒猫は、自分に体があったら、すくなくとも存在が見えていたら慰めてあげられるのになぁ、と言ってる」と言っていた。

どうやらそれが黒猫にとってのキーワードだったらしく、その言葉を私に伝えた瞬間に浄化してしまったらしい。

「誰かのために何かする」ってのが浄化の条件という野良猫の掟。