西新宿の比じゃなくて、シンガポールのマリーナ・ベイサンズを見た時に、似てるなーって思った。
そんな巨大ビルみたいなのがバンバン建ってて、キラキラでイルミネーションも凄くてまさに未来都市みたいな感じ。
ビルは灰色っぽいイメージだけどそこは全体的に白っぽかった。

立川すごすぎって圧倒されながら、待ち合わせのお店を探すんだけど、駅からすぐの居酒屋って言ってたのに、まず駅のそばにお店なんか全然無い。
巨大なビルだけ。

あと、人が全然いないし車も通らない。
信号が一つあるけど感知式なのかずっと赤だった。

同じように電車を降りた人々もいつの間にかいなくなってる。
巨大なビル群に私たちだけなもんだからすごく不気味だけど、地元も夜になると人も車も通らない田舎だから、こんな大都会でも同じなんだくらいで、それより時間過ぎてるのに全然お店が見つからなくて焦ってた。

とにかくやたら広くてうろうろしてたら、一台だけタクシーが停まってて、運転手さんに、「このお店知りませんか？」って聞いた。

運転手さんは首を傾げ、何度もお店の名前を聞かれて何度も答えた。
関西のイントネーションが聞こえにくいのか耳が遠いのか、すごく時間がかかった。

「似たような名前の店があるけど、そこかな？」と聞かれ、もうとりあえず行ってみようとタクシーに乗って連れてってもらった。

駅を離れるとものすごく外が暗い。
田舎の山道かってくらい。

どこまで行くのか不安でずっと外を見てたけど真っ暗であんまり分からない。
２０分ほど走ってお店に着いた。

でも変な名前で、文字化けしたような看板で、辺りは真っ暗だし、お店はトタン屋根のあばら家みたいな、あのビル群とのギャップがありすぎだし場所も遠すぎる。

言い忘れてたけど、立川に着いてから友達が何度も今日会う子に電話してたけど全然繋がらなくて、呼び出し音が鳴る前に切れるから相手の電池が切れてるのかもって話してた。

で、とりあえずお店に入ってみると、中は庶民的な食堂みたいな感じで、なんと相手の子がいた。

一人でテーブル席に座ってる。

でも事前に見た写メと髪型が変わってて、写メじゃ黒髪ロングだったのが金髪のショートでイカツイ感じになってた。

「◯◯ちゃん？遅れてごめんね」って友達が話しかけると、「あ、はあ・・・」みたいなテンションもかなり低い。

昼間に『今日会うからよろしく』って友達が電話した時に私もその子と話したんだけどテンションが全然違う。

一時間近く遅れたんだから、めちゃくちゃ怒ってるのかなって思った。

その子は携帯開いてメールか何か打ってて、電池切れてないんだって思うと、あんなに電話したのに何で出ないんだとか、お店の場所も名前も違うし、色々聞きたいけど初対面だし友達が会いたがってた子だから仕方なく黙ってた。

友達は謝って一生懸命盛り上げようといっぱい話してる。
でも話を聞いてると、友達とその子はジャニーズの某グループの大ファンで、チャットで毎日その話してたのに、相手の子が私はそのグループは好きじゃない、ずっと違うグループ一筋だって言ってて、はぁ！？ってさすがにムカついた。

もう早く帰りたくて店内を見てると、内装も人も微妙に変。
東京ではこんな感じなのかな？って思いながら、やっぱり違和感。
招き猫みたいなのがレジに置かれてるけど、猫じゃなくて見たことない動物。

私達の他に、客は家族連れ（若い夫婦と赤ちゃん）一組なんだけど、服装や髪型がなんか今の流行りとすごくずれてて、８０年代の聖子ちゃんカットみたいな・・・。

壁にメニューとか書かれてなくて、手元にもメニュー無くて、相手の子が適当に頼んで三人でシェアした。
飲み物はカクテル系が全く無くて、梅酒を飲んだ。

店員さんにカシスオレンジって言ったら、はい？って顔されて、どんなカクテルがありますか？って聞いたら、カクテル？って聞き返されて変な顔されたから、「梅酒ありますか？」って聞くと頷いて持って来てくれた。

友達も落ち込んでて、一時間くらいでお店出て別れた。

お店でタクシー呼んでもらって立川駅に帰ったんだけど、なんか駅前がすごく暗い。
あの巨大なビル群は全部電気が消えてる。
でも駅に入るとざわざわと人がいて明るくて、普通の駅って感じでものすごくほっとした。

その後、友達は相手の子とすぐ疎遠になり、私は大学を出て東京に就職した。
それで一回立川に行く機会があって行ったら、駅前が全然違っててビックリした。

確かに今の立川も大きくて綺麗だけど、あの時私達が行った立川と全然違う。
友達ともあの後なんだか疎遠になった。

私達はどこに行ってたんだろう、違う場所に行ってたとしても相手の子には会えたし、色々と不思議です。