うちの田舎に伝わる怖い話です。

うちの田舎の墓地には釈迦堂があって、そこには石彫りの仏様がある。
その仏様を彫ったのが近所でも尊敬されてる、元・学校の先生。
今と違って、当時は学校の先生というと、そりゃ偉い存在でしたよ。

まぁ、その先生が在所の人から依頼されて、仏様を彫り出した。
2メートルほどの石を彫るわけで、何年もかかってようやく、完成間近というところで、その先生が病気になり、死んでしまった。

未完成の石仏はそのまま釈迦堂へ納められた。
未完成の石仏には、目が彫られてなかった。

ほどなく、釈迦堂からカツンカツンと石を彫るような音が聞こえる・・・という噂がたちはじめた。
在所の人たちは、亡くなった先生が仏様を完成させようと夜な夜な、石仏を彫っているのだと噂した。

そして、先生が亡くなってから、49日後、石仏は完成し、釈迦堂から石を彫る音は聞こえなくなった。

今もその釈迦堂も石仏も存在している。
お盆には釈迦堂が開けられ、その石仏を拝むことができる。