曾祖母の友人の話。

その人、Aさんの家は土地持ちで山をいくつかと、田んぼを人に貸していた。
高度成長時代には町にも数ヶ所貸していて今もそれは続いている。

Aさんは昔から事故に遭った動物を自分の土地に連れて行き、埋葬していた。
時々、思い出したようにお水とお線香をあげるくらいだったそうだ。

そのAさんが立て続けに何匹もの犬が鳴く夢を見るようになった。
そのうち、犬だけじゃなく、猫も狸も泣き叫ぶようになった。

Aさんの家族は「いつも動物に情けをかけるから変なのに憑かれたんじゃないの?」と、途方にくれていた。

最後には起きていても声が聞こえて「こりゃ、一辺見に行ってみるか」と、今まで動物を埋めていたところに行った。

そしたら、そこら辺一帯の樹を重機がなぎ倒し、工事をしている。
慌てて工事の人に聞いたら「役場から下水道施設の工事を請け負った」とのこと。

Aさんちが貸し出していた土地を勝手に拡張し、許可も得ずに工事しようとしていたのだ。
動物を埋めていた場所のすぐ近くまで均されて、動物たちはAさんに伝えようとしていたのかもしれない・・・。

結局、地主A家に無許可なので工事は中止され、土地は原状復帰。
工事許可を出した町長は、以前からそういう問題が多かったので辞任。
Aさんはそれ以降、動物の鳴き声を聞かず安眠できたそうだ。

沖縄の水道問題のニュースを見て思い出したので書いた。