俺は九州の田舎住み。
一年半位前に東京から移り住んできた人がバイトに入ってきた。

結構気さくな人ですぐに仲良くなって独り暮らししてるっていう一軒家に招待してもらった。

その人はかなりお酒が強いみたいで、こっちがかなり酔いが回ってんのに飄々と缶ビールを開けていた。
酔いの影響もあったのか飲んでる部屋の続き間?っていうのかな?隣の部屋が気になって
「あっちの部屋は?」って聞いてみたら「使ってない部屋」だとの事。

飲んでる部屋もベッドとパソコンだけ。
なんか生活感薄いというか、テレビもない。

「見てもいいか?」と聞いてみると、少し考える素振りを見せてから”どうぞ”と襖を開いてくれた。

こちらの部屋の明かりが真っ暗な隣の部屋の木製のテーブルをうつしてた。
そのテーブルに置かれたヤカンみたいな置物。
見た瞬間なんかよくわからんがゾクッとした。

その周りを布と竹串みたいので作られた囲い。
当たり前のようにその囲いから置物を拾い上げて手渡して見せてくれた。

大きさはやかんなんだけど、やかんから取っ手と注ぎ口を無くして、素材は鉄器、蓋付きの壺?香炉?みたい。
すごいというほどではないけどまぁまぁ古そうな感じ。

「なにこれ?」って聞いてみたら「俺もよくわからないけど・・・」と言う前置きで、その彼の知人が中国へ転勤したときに借りた家にそれが置いてあったと教えてくれた。

転勤してから家族が身体に不調が続いたり精神的に不安定になったり。
誰かが死ぬなんて事はなかったけど、何故か家族全員がこの置物を酷く嫌がるってことで、はじめは捨ててしまおうとしたみたいなんだけど、試しに蓋を開けてみるとメノウみたいな塊が。
※メノウ:縞状の玉髄の一種で、オパール(蛋白石)、石英、玉髄が、火成岩あるいは堆積岩の空洞中に層状に沈殿してできた、鉱物の変種である。

それを見た瞬間にその友人、ひっくり返って気を失ったらしい。

なんなのかさっぱりわからないが不気味で不思議なものだから捨てて何かあると嫌だからと、引き取りを相談されたらしい。

二つ返事で彼は承諾すると、一週間かからず手元に届いたらしい。
届いてからも彼自身には特に被害らしきものは未だに無いみたいだけど、彼が東京に住んでた頃のマンションの隣の部屋が首吊り、下から一日中騒音・・・ってことがあったみたい。
届いてから一ヶ月以内で。

偶然だと思ったみたいなんだが、届いてから三ヶ月以内に起こったことが異常じゃないかと感じた。

あと別に引っ越しシーズンではないのに四部屋が引っ越し。
一部屋火事、部屋内だけで済んだみたいだけど・・・。

救急車騒ぎも三件、興味がなかったから内容までは知らないみたいですが、五階建ての15部屋位のマンションで起こったことらしいです。

彼もさすがに何かあるのかも・・・と言うのとかねてからの憧れの田舎暮らしの為に俺の地元に引っ越してきたみたいです。

彼が引っ越してからまず置物の中身のメノウみたいな塊をドライバーで砕いてみたそうです。
何層かになってたみたいですが比較的砕きやすい材質と、お湯で流すと錆のような色をして溶ける事を発見したそうで、近くの川に紐で結わえて二週間程放置してたら中が綺麗になくなってたそうです。

真実は謎ですが、彼は言っていました。
「多分メノウみたいな塊は血だったんじゃないか」と・・・。

「やかんほどの大きさの置物に長いことかけて一人分じゃないかもしれない血を何層にも固めて貯めてなんかを呪ってたのかもね」とも。

ここまで彼の話を聞いている間、俺はずっとその置物を手に持ったままだったので生きた心地がしなかったですね。