長文になると思います。
少しばかりお付き合いよろしくお願いします。

高校受験シーズンって学校全体の雰囲気がピリピリする気がしませんか?
私の中学は地元でもある程度有名な進学校の為、ピリピリどころか周りを蹴落としてでも進学してやる!みたいな同級生が多かった。
私も含め3人ほどがその状況に飽き飽きしていた頃に体験した、ちょっとだけ不気味な話です。

不気味な現象が起きたのは、塾に通って朝から晩まで勉強と試験、そんな生活に飽き飽きした私達が、塾を一日だけさぼって、他県まで出向いてゲームセンターやボウリングで散々遊び、電車に乗って家に帰る途中でした。

電車を降りて、寂しい田舎道を数人で談笑しながら歩いてると、ドンドンと祭囃子のような、太鼓の響くような音がするんです。

恥ずかしながら相当な田舎なので、お祭りがあったり何かのイベントがあったら近所である程度は噂になるので、その日はお祭りがあるわけがありませんでした。

しかしドンドンと太鼓を叩いて音頭を取るような音は消えません。
私達は音のする方に行ってみよう、お祭りなら楽しそうだからと意見を固め、行ってみることにしました。

音の出処はちょうど地区の真ん中にある神社でした。
そこで神主さんと数人の巫女さんがお面をつけ、音に惹かれてきた人達にお面を渡してました。

私達も巫女さんから兎のお面を貰うと着けて出店を巡り、太鼓を見に行ったりと非常に楽しい思いをしました。

日もくれて、お祭りも盛り上がり、出店の食べ物も美味しそうに出来上がって来た時、友達の一人が鯛焼きを食べようと相談してきたのです。

とても美味しそうなので購入して、さぁ食べよう!って時に、「フシャー!」と猫が威嚇するような音がどこからともなく聞こえてくる。
そして神主さんと数人の巫女さん、出店のお兄さんが一斉に神社の本堂に入り、辺りがシーンと静まってしまったんです。

出店の残骸や太鼓はあるのですが、どうにも今さっきまで盛り上がってたようには見えません。
私達は放心してしまい、帰ろうか・・・という雰囲気すら出ませんでした。

その日はどうやって真っ直ぐ帰ったのか覚えていないんですよね。
ただ覚えてるのは、塾をサボって他県に遊びに行き、帰り道でお祭りに参加したことだけです。

高校に進学した今、色々調べてみたのですが原因は分からず、あの時もし出店の物を食べてたら『黄泉竈食ひ』となって帰ってこられなかったんじゃないか?なんて3人で話すくらいです。

ちなみに、この話はよくある神隠し的なベタな体験で、神隠しと言うと美少女や美青年、3歳くらいまでの幼い子供が隠されてしまうイメージですが、残念ながら私達は当てはまらないと思います・・・。