人にとり憑く犬の霊。
非常に強力な力をもつとされる。
この犬神を操るものを「犬神使い」という。

犬神は、しばしば人工的に作られると言われ、その作法がいくつか伝わっている。

代表的なものは、大層かわいがって育てた犬を首が出るように生きた犬を地面に埋め、ちょうど届かない犬の目の前に犬の好物を置き食べ物を前にして飢えさせる。
肉類など臭いがあるものがよいとされる。

そして飢餓状態が最大になった頃愛を見計らって背後から犬の首を斬り落とす。
犬の首は飛んで食いものに喰らいつこうとするが、そこをとり押さえ、白布に包み四辻に埋める。
大勢の人の踏ませ、掘り出したのち呪物として祀り犬神を完成させる。

また西日本を中心に四国を中心に犬神筋と呼ばれる犬神を代々受け継いでいる家系があり、かつては忌み嫌われた。
その娘の嫁ぐと、犬神が一緒に憑いていき、そこも犬神筋の犬神持ちとなると言われて、かつては婚姻差別の元凶となる場合もあった。

犬神持ちの家は富み栄えるとされている場合もあるが、従順ではなく時として犬神持ちの家族をかみ殺すこともあると伝えられ、タタリガミとして忌み嫌われる場合もある。

犬神に憑かれると、胸の痛み、足や手の痛みを訴え、急に肩をゆすったり、犬のように吠えたりすると言われる。
人間の耳から体内の内臓に侵入し、憑かれた者は嫉妬深い性格になったり、時には恐ろしく大食いになるという。

犬神を離すには、獣の黒焼きを食べさせ、山伏姿の祈祷師に護摩を焚いてもらい呪文を唱えれば犬神は離れるという。

犬神使いはこれを阻止しようとする。