父の会社の社宅に住んでいた頃の話。

隣に新しい人が入ってきた私が仕事から帰ってくる時、玄関の前の通路で隣の家の女の子と、その彼氏が外の景色を眺めながら楽しそうに話していたのをよく見かけた。

女の子の顔は正面から見た事がなかったんだけど、黒い髪の毛が肩より少し下で肌の白い子だった。
母に聞いたところ、隣の家には小学生と高校生の女の子の2人がいるとの事だった。

ある日外に出ていた母がなかなか帰ってこない。
夜の22時は過ぎていた。

母が帰ってきたと思ったら泣いていた。
何があったのか聞くと隣の女の子が亡くなったと。
今隣の奥さんと話していたと。

いつ?
高校生の子?

と聞くと、高校生の女の子は生まれつき心臓が悪かったらしく、3歳まで生きてられないだろう・・・と医者に言われていたのが気づけば高校生に。
今まで入退院は繰り返していたものの普通に高校に通いアルバイトをしてみたり、友達と遊園地に遊びに行ったりと元気に過ごしていた。
ところがここ最近調子が悪くなり入院をしていて。

今日もその子のお母さんは病院に行って普通に娘と話してた。
「そろそろ妹が帰ってくるね妹が寂しい思いすると可哀想だから、お母さん家に帰って私はもう大丈夫だから」と言われ、「じゃあまた明日ね」と娘と別れた。

家に帰ってくると同時に電話が鳴っていて出ると病院から、「娘さんの容体が急変したのですぐに病院に来てください」と。
すぐに病院に駆けつけたが間に合わずその女の子は亡くなってしまった。

病院で手続きを済ませ家に戻ってきたところ丁度私の母と会い、娘さんが亡くなったこと、心臓が悪かったことなど話を聞いていたとのことだった。

母から話を聞いた私は全く悪気はなく、「いろいろな経験ができただけよかったね」と言ってしまった。
すると母は「あなたは冷たいわね可哀想じゃない」と。

私は「可哀想だよ、可哀想だとは思うんだけど3歳までと言われてたのが、楽しく高校生活も送れて一通り経験できてって意味だよ、死んで良かったとかそういう意味じゃなくて」と言ったが、わかってもらえなかった。

24時過ぎにベッドに入って寝た。
すると朝方耳がキーーーンとなりだし、金縛りか?と思って全身に力を入れる。

部屋の中のカラーボックスや机がガタガタ音を立てている。
地震?と思い起き上がろうとするも体が動かず。
部屋の物もがガタガタ鳴っている。

いつもだったら金縛りの時、目をギユッとつぶるのだが、何が起こっているのか分からなくて目を開けていると、私の足元の方に女の子が立っていて、「私はもっと生きたかった、私はもっと生きたかった」と、目のぱっちりした肩より下までの黒い髪の毛の色白の女の子が言っていた。

隣の女の子は後ろ姿しか見たことなかったけど、髪型肌の色はその女の子と一緒に思えた。

金縛りに遭いながら心の中で「ごめんなさいそういう意味じゃないの、ごめんなさい」とずっと言っていたら金縛りが解けたと同時に部屋を飛び出し、母の寝ている和室へ駆け込んだ。
時間は3時55分だった。

母に今起こった出来事を話し、隣の女の子の葬儀が終わって落ち着いてからでいいから、お花とお線香を持って謝りに行きたいと隣の奥さんに伝えてくれと頼んだ。

それから1週間後位だったかな。
お花とお線香ケーキを会社の帰りに買っていざ隣の家に行こうと思ったんだけど、遺影の写真が私が見た女の子と同じ顔をしていたらと思ったら急に怖くなって、行く事が出来ず母に代わりに行ってもらいました。

当時の私の部屋はマンションの通路?に面していて夜でも通路の明かりが入ってきて明るかったんだ。
だから足元に立っていた女の子の顔ははっきり見えたのよね。