どこに書いていいかわからんからここに書くわ。

俺が小学生の時の実話。

うちの小学校ってのが校舎は割と大きいんだけど、少子化の影響か児童数が少なくて、俺らの世代は一学年二クラスまで減ってたんだ。
そうなると空き教室が増えるからってんで、音楽室や図書室が二つになったりビデオ見る用の教室があったりと特別教室(っていう言い方で正しいのかな?)が増えたんだ。

そうして増えた教室の一つに『郷土資料室』ってのがあった。
学校の周りに田んぼがあるんだけど、そこを管理する農家さんが大昔に使ってた道具を学校に寄贈してくれてて、それを保管してる教室なんだわ。
唐箕とか脱穀機とか石臼とかそういうやつね。

で、その中には鍬みたいな危険物もあるし、そもそも歴史的価値のある物ばかりだからってんで、普段郷土資料室は子供が勝手に入らないように鍵を閉めてたんだ。
まぁでも子供は古い道具なんて興味ないから、郷土資料室の存在なんて忘れて日々を過ごしてたんだけどね。

んで、年末の大掃除があって、みんなで学校中を掃除していた時のこと。

俺の班が郷土資料室前にあるトイレを掃除することになってみんなで掃除してたんだが、友達の一人が「あれ何だろう?」って言い出した。

「何が?」って聞くとと郷土資料室の扉の上にある小窓を指差したんだ。
そこには『足跡』があった。

指の形もわかるくらいのくっきりとした裸足の足跡が、爪先を左下に向けた形であったんだよ。
扉の上だから、高さは二メートル以上かな。そんな位置にその向きで足跡が付くはずなんてないでしょ、普通。

当時『マトリックス』が流行ってたから、俺達の間じゃ「誰かマトリックスみたく壁走ったんだろw」みたいに話してごまかしたんだけど、あれ絶対幽霊の足跡だわみたいな雰囲気にはなってた。

だけど問題はその翌年の年末大掃除の時。

その時、俺達は学年も変わったから全く違うとこの掃除を担当してたんだけど、急に校内がざわつき始めた。
児童数が少ないもんだから、話が伝わるのは早かったよ。
どうやら、例の小窓に『足の裏』が見えたらしい。

俺達は足跡を見ていたこともあって、掃除をほっぽりだして現場を見に行った。
そしたらもう例の小窓に黒いビニール(たぶんゴミ袋)が貼られてて、先生たちが集まってた。
何か真剣な感じで話してて、子供ながらになんか大変なことが起こったぞと直感した。

んでその翌日の終業式の日、近くに住む農家のおじいさんが学校に来てた。
どうやら何らかの農具を郷土資料室から回収したらしい。

後々聞いた話だが、その時に回収したのは古びた鋤だったらしい。
俺達はもういい大人になったが、いまだに『その鋤を使った殺人が過去にあって、あの足跡の主はその時の被害者なのだろう』って話になってる。

長々すまん。