納得できない話。

十年以上前、母が真鶴に住んでいる級友に会いに行くと言いだし、付いていった。

待ち合わせの時間は昼で、朝一番に出発したため午前中まるまる観光にあてようと、真鶴サボテンランドというところに行った。

サボテンランドを見終わって周囲を歩いていたら、細い道が見え、なんとなく下っていったら、廃墟があった。(その道みちも、違法だか不法だか止められている車が結構あって、どっから乗り入れているんだか不思議に思った)

後で知ったのだが、真鶴水族館というのがあって、その廃墟だったわけだが、知らないからおっかなくて写真も撮らず、二人して「なんだろね」と話しあっていた。

そこから海岸線を歩こうと海に進んでいったんだけど、崖一面に観音様の顔が掘られていて、二人して「すごいねー」と話していた。

で海水浴場に出て、バスに乗って真鶴駅に行き、母が友人宅を訪問し、俺はコンビニで立ち読みとかして帰った。

家に帰ってからあの廃屋はなんだろ?と調べて「真鶴水族館」のことを知り、グーグルマップで「薬袋観音」という表記があったからなるほど、と満足した。

しかし昨日、真鶴水族館を訪れた廃墟マニアのサイトを見たら、薬袋観音って、洞窟があってその中に安置された観音像だってことを知って、あの崖の顔は?と不思議でならない。

観音像の写真を撮る廃墟マニアが、あの崖の顔を撮さないはずがないだろうに、どの廃墟マニアも崖に掘られた顔なんてアップしてない。

水族館は今はもう解体されて存在しないらしく、廃屋をアップしている人は何年も前に訪れて写真を撮っているんだよ。

崖の顔が風化して崩れて気づかなかったってこともないだろうに、俺と母親が見たのはなんだったのか、気になる。