その神社は日本三大稲荷に数えられたり、数えられなかったりする割と大きめで、参拝者数も数百万人程度はある程度のところ。

手水するところの近くには、狛犬的ポジションに狐の像が座ってる。
どうやらその狐の像は雌らしく、女の人は「見送られてはいけない」っていう噂話があった。

でも普通にしてる限りは別に誰も気にしてない程度で、高校で知り合った友人Cの中学の同級生が、「そんなん知るか!見送れ!呪えるもんなら呪ってみろ!」っていう破天荒な女子で、実証してやる、と意気込んだそうな。

実証の為にその女子(以下女子A)は、夜の参拝者もほとんどいない時間(ただしライトアップはされてる)に神社に複数人で赴き、鳥居を蹴る、手水の水を狐の像にかける、神社内の砂利を持ってきて狐の像に投げつける、等など俺が覚えてる限りでもこれくらいやったらしい。

話を聞いたときは小学生かwwって思ったんだけど、俺に話してくれてた友人Cはすごく真面目に、絶対真似するなよって言ってた。

お稲荷さん祟りとか呪いとかありえない、と豪語していた女子A。
もとはすごく字が綺麗な子だったんだけど、だんだんとなんだか字が崩れて行って数日後にはまさにミミズが這ったような字しか書けなくなったらしい。

手が震えてるわけでもないし、本人はいつもどおり書こうとしてるのに、もはや読めないレベルの字になってしまったんだって。

でも体調は普通だし、と女子Aはタカをくくってたんだけど、女子Aとその友人がお泊まり会した時、雑魚寝してたら寝てるはずの女子Aの手足がピーンというかピョーンというか、トランポリンで反発するときみたいに跳ねてる。
お泊まり女子たちは女子Aが神社でやったことを知ってたから無理やり、その稲荷神社に連れて行って巫女さんに神主さん?宮司さん?を呼んでもらいお払いを頼んだらしい。

ちなみに親には怒られるとかで言ってなかったっぽい。
神主さんは「心当たりはあるんでしょう?話さなくて良いからお祓いをする最中、そのことについてきちんと心の中で何度でも謝りなさい」みたいなことを言ったらしい。

でも少女Aは半信半疑。
神主だって、当たり障りないことしか言ってないし、自覚症状は字が変になったくらいで、どちらかというと脳の問題なんじゃ?って思ってたらしい。

だけどお泊まり女子たちがあまりにも真剣に言うとおりにしな、って言うもんだから一応・・・くらいのつもりでお祓い・謝罪をした。

で、帰り際なんだけど、神主さんが「これからは毎月一回、どこかに引っ越すことがない限り、お稲荷さんに、きちんと謝りにきなさい」って少女Aに言ったらしい。

その後、字も元通り書けるようになって寝てる時の手足ピョーンもなくなったんだって。

一応話を聞いたときには月1でお参りに行ってたみたい。