俺はほんの僅かだが霊感とかいうものがあるらしい。

遠くに住んでいた爺さんが死んだ時に夢枕に立って、起きた数分後に爺さんが死んだと電話で連絡があったり、かわいがってた猫が死んでから一週間後の寒い夜になにかが布団の上でポスポス足踏みしてるので寒いから布団に入りに来たんだなと納得してた。

そして今俺は県内でも五指に入る大病院で働いてる。
救急救命室の夜間事務だ。

まぁこんなところなので毎日平均で三人は救急救命室で死んでいく。
それも病死もあるが自殺、他殺、交通事故、火災など、恨みを込めて死んでいくもののオンパレード。

この部屋が新築されてから10年経つから、もうここで死んだ人は一万人を超える。

10m×20m×4mの部屋に幽霊1万体がいるのだ。

どうやって入ってるんだろうと思うと恐ろしい。
ちなみに俺も10年いるが、霊感ある俺が50年経ってる病院で幽霊を見たことをないのも恐ろしい。

そしてここで怖い話をもう一つ。

事故で息子を亡くした家族さんが姿を消したと思ったら、消灯されて真っ暗なところでボソボソ話し声がする。

「これで金が入るよ」

「どうやって分ける?」