奴は明るく社交的な奴だった。

奴は地方の出身で、新築ながらものすごく家賃の安いアパートを見つけた。
安い割には豪華な新居に喜び自宅アパートのあちこちをデジカメで撮りまくっていると、そのうちの1枚にものすごい数のオーブが写っているのを発見した。

それ以来そいつはなぜかそのオーブが写った部屋に閉じこもってしまった。
奴曰く「この部屋に宿る霊に謝っている」のだそうだ。

それから奴は大学に来なくなり、体も弱っていった。
そして1年後、そいつは死んだ。
呼吸器をやられたという。

死後、そいつが閉じこもっていた部屋に親や親族が入ると、途端に気分が悪くなったり体調を崩すという現象が起こった。

その親族の一人が専門家に調査してもらったところ、その部屋からは大量の有害な化学物質が検出された。

調べてみると悪質な施工業者が安価で有害な建材を使い、それに含まれる有害物質が部屋の中に漏れてしまったらしい。

写真に写った大量のオーブは、空気中に飛散した有害物質だったのだ。