めちゃめちゃブスだった妹の話。

うちの家系は母方の家系が美男美女ばかり。
俺は残念ながら父親に似て長州小力似なんだけど、俺と妹以外は顔が整っていてすごく羨んでる。

妹は小学校に上がるまでは、綺麗な顔立ちだったけど、だんだん太って醜い顔になって行き体調もすぐれず学校に行かなくなった。
普通に歩いていて気を失ったり、夜中に近所を徘徊したりと奇行が目立った。

そんな妹を父が心配して、美顔器や化粧品などを買い与えたり、病院に連れて行ったり色々したものの、精神病と診断され。
妹は引きこもりになり、中学も入学したてだというのに行けなかった。

アゴは団子でも入ってるんちゃうか?というほど不自然な形になり、目は腫れぼったくなり体重は3桁行くんじゃないかというほど太り。

高校生の歳になった頃に父親が整形手術を勧めるほどひどい顔になり、母が顔にメスを入れさせるなんてどうかしてる!と喧嘩。

夫婦喧嘩が絶えなくなり、一人暮らしをはじめた俺の所へ逃げてきた妹。

同居して半年。
外に出たがらない妹をいい機会だからって事で会社の忘年会に連れてった。
そしたら同僚の一人が妹に興味を持って3人で二次会をやった。

同僚曰く、妹にはとんでもない量の霊が憑いているそうで、このまま放っておくと衰弱して目をあける事はなくなる危険があると言われた。
同僚の実家の近くに巫女さんがいるので、お祓いをしてもらおうという事になった。

すぐさま長崎へ飛んで船に乗り離島へ。
巫女さん(ミナコ婆さん)は今は隠居しており無理を言って霊視をお願いした。
妹の手を取り満面の笑みで「い↑の↑ち↓と引き換えにぃ↑」と大きな声で妹に伝えたら妹は目を開けたまま涙を流しそのまま静止。

お祓いの日取りが決まり、「前日には何も食べないできてください」とミナコ婆さんの助手のような人から一通り注意を受けた。
どうして泣いていたのか?という疑問をホテルで妹に投げかけた。

妹は、また涙ながらに自分の体験を口にした。
まとめると手を繋いだ瞬間からミナコ婆さんの気持ちが伝わったような気がして、頭の中でミナコ婆さんの考えている事が再生されたと言っていた。

『こんな衰弱しかけの老人にもまだできることがあって良かった。人のために何かできる事があって良かった。命と引き換えにしてでもこんな遠い所まで訪ねてくれた若い娘のために一生懸命お祈りするので良い気分で帰れたら良いですね。これからの人生が良い物になりますように。』

あの短時間でそれだけの言葉が伝わってきて涙が止まらず、感謝で手を離せなかったらしい。
見ず知らずの女のために、自分が今話されたくない事も全部わかった上で、精一杯絞り出してくれた言葉に感謝をずっといい続けたそうだ。

俺にはボケた老人がとち狂って出した言葉のようにしか見えなかった。

そして当日、貸し出された白装束に着替え、お酒と井戸の水を混ぜた風呂に入り湯を沸かし、妹を酔わせミナコ婆さんと助手によるお経と共に休憩込み8時間にも及ぶお祈りが始まった。

お祈りが終わり、体調に変化があったら連絡して欲しいと助手に言われた。
それが励みになるそうだ。

お金は受け取っていただけなかったので、ミナコ婆さんが好きだというお花を玄関にたくさん置いて帰った。(後処理めんどいだろうけど)

それから徐々に妹は運動もするようになり、夜間高校にも通い体調も良くなり、顔も美人になり明るい大人になった。
経過報告の電話で妹に憑いていた物の正体を知った。

妹に憑いていた物は人の妬みや憎しみが兄や姉に憑きそうだったものが、全部妹にひっついてきたものだそうで、俺の顔が良かったら俺にくっついてた物らしい。
これをきいた俺はほんのりと怖いと思った。

イケメンに生まれたかったという気持ちが薄れた。
妹は美人に生まれて悪意でブスになっていたのだからそうなっただけで、俺がイケメンに生まれていたらブサイクなまま誰にも理解してもらえず、自分の訴えは聞いてもらえず親の勘違いで病院に連れていかれたりして、ニートのまま一生を終えていたのかと思うと本当に怖かった。