一人暮らしを始めて3年目。
名古屋から本社に研修に来ていた子と仲良くなりました。

お互いパソコンが好きで意気投合。
研修を終えて名古屋に帰った後も電話や手紙で交際していました。

その夏、名古屋体育館でパソケットがあるので遊びに来ないかと彼女に誘われ、私は彼女の家に遊びに行きました。
団に入って彼女のお姉さんも交えて雑談に花を咲かせ、例に漏れず怪談話に突入した時、「死後でも意識ってあるのかしら。幽霊ってそういうものだよね。この中で誰かが死んだら、それを証明するようにしよう」そう言い出したのです。

その時はきっつい冗談だなぁと3人で笑い転げていました。

その翌月、F美のお姉さんから速達が届き、中には地方新聞のコピーと、彼女がバイクの事故で亡くなったことを告げる手紙が。

年の近い友人が亡くなったのは、初めての経験でした。
会社の許可を得て彼女のお葬式に出、家に帰ったのは翌日でした。

妙に気怠い気分でその日は8時頃に布団に潜り込みました。
眠っていたと言うより、うとうとしてたんだと思います。

不意に、その時まではすっかり忘れていた彼女の言葉、あの「この中で誰かが死んだら、それを証明するようにしよう」という言葉を思い出したのです。

『あんなこと言って笑っていたくせに・・・』

泣きたくなりました。

その時、足の方がスーっと涼しくなったと思ったら、コチョコチョコチョ・・・!
足の裏を誰かがくすぐった!
確かに人の指先の感触が足の裏に!

ゲっ!!と思って布団をはいで起きあがっても誰もいません。
ただ、どこかで、遠いどこかで微かに笑う声が聞こえた気がします。
怖い、とは思いませんでした。

ブラックユーモアが好きだった彼女の、最後のブラックユーモアだったのでしょうか?

そうであったと信じたいです。