怖いと言うか、そんなこともあるんだなって思い出。

俺の母の実家は寺。
そこでの話だが霊的な話じゃ無く、寺なもんで古く大きな木造建築だった訳だ。
地方都市でド田舎では無いんだが、そういう建物だからネズミがまだまだ巣食っていたんだわ。

そんでネズミが寝ているまだ小さな孫(俺にとってはイトコだな)の足を噛むってことで婆ちゃんが憤慨し、意を決して駆除業者に依頼して大規模な駆除をすることになったんだ。

それから駆除業者が来る日までに異変が起こった。
婆ちゃんが朝起きると猛烈に臭い。
匂いの元を確認すると婆ちゃんのベッドの下がネズミの糞だらけ。
まるで寺中のネズミが昨晩そこで糞をしたみたいな凄まじい有様。
これが駆除が完了する日まで毎日起こった。

不思議なことに犯行現場を目撃することはついぞ出来なかったらしく、気を抜いて寝たら朝には糞まみれ・・・が続いたそうな。

あれはネズミの抗議行動みたいなもんだったのかな。
ひょっとするとあいつら人語を理解できるのかもしれないな、と現住職の俺の叔父は婆ちゃんの昔話の中で語ってくれた。

ちなみに婆ちゃんはその一連の事態から二十年近く元気だったので、祟りとかそういうのでは無かったみたいだ。