人間と言う勝手気ままな動物に見放された少女のお話。

ジーニーは13歳になるまでひとつの部屋に監禁されていた。
おまるに縛りつけられ、寝るときは寝袋に入れられ、父親はジーニーがなにか言うと怒鳴り、殴りつけておとなしくさせた。
父親はジーニーの母親や兄弟たちがしゃべることも禁じていた。

そのせいでジーニーは「やめて」、「もういらない」というような簡単な言葉以外ほとんど話すことが出来ず、20前後のフレーズしか知らなかったという。

1970年に発見されたが、彼女が本当は13歳で虐待の被害者だと解るまで、ずっと自閉症だと考えられていた。
今では孤立児の最悪のケースとされている。

ジーニーはロスの子供病院に収容されて治療を受け、イエスノーで質問に答えたり、自分で服を着ることを覚えたが、うさぎのような奇妙な歩き方はなかなか治らず、やたらものを引っ掻いたりした。
セラピストのデイヴィッド・リグラーと4年間暮らし、言葉を話さなくてもコミュニケーションがとれるよう手話や絵を描くことを教わった。

それから母親と暮らすようになったが、新たに引き取られたが、新しい里親に虐待されてまた言葉が退行し始めた。

現在、ジーニーには南カリフォルニアのどこかで生活しているという。