いまだに思い出すだけで、ゾッとする経験をしたよ。

2年前に知人とツーリングに出かけたときの話。
奈良から西名阪を走って、伊勢神宮を参拝して、尾鷲方面に行ったんだけど、知人が海岸沿いを走るより、山越えで距離が短縮できると言うので彼の後ろをついて行くんだが、山中で道に迷い、携帯の電波も入らない農道をひたすら走ることに。
しかし道が舗装されていたので、いずれどこかの国道にでも出るだろうと、さほど気にもせずに走るんだが、途中で舗装もされていない酷い悪路になる・・・。
時計を見るとPM2時を少し過ぎた程度だったので、引き返すのも面倒だし、行ける所まで行こうか?と話をして、対向車すらすれ違わない道を駆け抜ける。

30~40分も走った頃に小さな集落があり、道沿いに一軒の酒屋があったので、水分補給のつもりで店の前に停車した。
停車して、レトロな雰囲気の店を覗き込むと誰も居ないので、大声で「すみません!」と連呼すると、小学生くらいの男の子が店の奥から顔を出して、こっちを見ていた。
その時、子供の目と目が合ったんだけど、なんとも言えない悪寒と直感的に『逃げなきゃ』って気持ちになった。
友人も何かを感じていたらしく、自分の腕を引っ張って、店の前に出た。

店の前に出て、周辺の家屋を見た時に完全に血の気が引いた。
酒屋の家の左右と向かいに3軒の家って、よく見ると完全に廃墟だった。

当然、2人とも全速力でUターンして引き返したけど、何だったんだろうか?と今でも思う。

単車に長時間乗っていて、フルフェイスのヘルメットを被っていたから、廃村と思わなかったんだろうか?
しかし、酒屋の店内を覗いた時、廃墟ではなく、田舎に行くとたまにあるような、昔の雰囲気の店で、人も居た。

その時に見た小学生くらいの子供は、2人とも見ているし、酒屋以外の周辺の家屋は廃墟だった。