俺がまだ子供だった頃の話。

俺の家は食事やらお酒を提供するちょとした食堂を営業していた。

その頃、近所にお酒好きな独身の男性の常連さんがいて、頻繁にうち食べに来てくれた客がいたのだが、ある日、その客が突然亡くなったと聞いた。

それから数日が過ぎた頃、真夜中だったんだけど何だかお酒の置いてある棚の辺りで人がいるような気配がして目が覚めた。

両親がまだ起きているのだろうか?

そうこうしているうちに「ガシャーン(お酒が入った一升瓶の割れる音)」

俺は「何やってるんだよ、もったいない」とか考えているうちに俺はまた深い眠りに落ちていった。

翌朝、俺は両親に「夜中にお酒の瓶割った?」と聞いて見たのだが両親は知らないと言う。
あれだけハッキリと瓶が割れた音がしたのだから何かが割れたのは間違いない。
そう思った俺はその瓶の当り行ってみたのだが、ガラスが割れたような痕跡は全くなかった。

その時、ふとそういえば最近、近所でお酒好きな客が亡くなったことを思い出した。
もしかしたらその客は死んでもまたうちの店に飲みに来てくれたのだろうか?
自分も多少、その客から可愛がってもらった記憶があったから、不思議と怖いという感じはなかった。

そういえば、昔読んだ実話系の話でアメリカかどっかの酒場の話だったが、その店の常連だった作家が亡くなった。
その作家がいつも座っていた席に好きだった酒を置くと誰も座って居ないのに必ず減っていたらしい。

作家は生前マスターに「俺が死んでもこの店に飲み来るからよろしく」みたいな事を伝えていたらしい。