大学時代部室に住んでる先輩がいた。

一人暮らしだったのだそうだが、私が覚えている限りでは部室にいるか、一人暮らしの部員の部屋を泊まり歩いていたように思う。

ここまで書けばお解かりかと思うが、先輩の部屋は出るのだ。
そんなことしてないでとっとと引っ越せよ!と思うのだが、部屋代は親もちらしく、そこよりも高いところには引っ越せないのだとか。
先輩自身は話してくれないので他の先輩から聞いた話である。

その部屋で寝ると夢を見るのだそうだ。
その先輩も泊まったらしく、聞いてみたのだが、とにかく飛び起きるくらい怖い夢で、目がさめるとそれを覚えていない。
ただ、とても怖かったことや、必死で目を覚まそうとしていたことなどは覚えているらしい。

いったいそれのどこが心霊現象なのだろうか。

「それじゃ何なのかわかりませんよ」と私が言ったところ、どういうわけか、一年全員(といっても3人)が泊まることになった。

出陣式だと明るいうちから飲まされてシュラフと一緒に部屋に閉じ込められた。
先輩らも泊まり込んでとことんいじめられるのかと思ったがそろって帰ってしまった。

電気水道は止まっているため、部屋は真っ暗でただ寝るだけである。
酒も手伝ってあっという間に寝ることが出来たが、私はその夢を見ることはなかった。

だがトイレである。

ココに来る前に済ましたはずなのだがどうしようもなくて目が覚めたのだ。
水か止まってるとのことなので、仕方なく外でして部屋に帰ったときである。

ものすごい声を出して一人が目を覚ました、聞いてみれば、予告どうり怖い夢を見たらしい。
内容も聞いてみたのだがやはり覚えていないようだ。

しかし、目を覚ました原因はそれだけではなった。
右足が、何かを突き刺したように痛いらしい。

「ごめん、俺踏んだ?」と謝ると「いや、そんな痛さじゃなくて何かにつかまれた・・・、血だ」

手で触ってわかるくらい痛む箇所から出ていたらしい。
もう一人を起こして部屋から飛び出してコンビニで夜を明かしました。

コンビニで見たところ、明らかに彼の足首には何かに爪を立てられた後がついていた。
後もう一人も、何か怖い夢を見ていた記憶があるらしい。

俺だけ見ることが出来なかったので、機会があればもう一度泊まってみたいと少し思っている。