夏に京都にぼっち旅行に行った時の話。

手配がギリギリになってしまって定宿が取れなかったので、使ったことのないホテルに宿泊することに。

朝9時くらいに京都に着いて、荷物だけ預かってもらおうとホテルに行ったら「もう部屋の用意出来てるので入って良いですよ」と言われ、鍵を渡された。

時刻はまだ9:30にもなっていない。
11時がチェックアウトのそのホテルでは、周りを見てもまだお掃除中か、チェックアウトするであろう人ばかり。
前の日は平日だったし、誰も泊まってなかった部屋かな?と、部屋に入ったら・・・なんか暗い・・・。

日が射さなくて暗い、というのではなくて、重暗い。
上半身だけ廊下に出してみたけど、なんとなく明るさが違い過ぎる感じ。

暗い所から明るい所に出た時の違いじゃなくて、見えないカーテン突き抜けた感じ・・・でわかるかな。

でも私は零感人間。
父親と猫の霊くらいしか見たことがない。

気にせず大きい荷物だけ置いて観光へ。
18時頃、一度部屋に帰ってみたけど、やっぱり落ち着かなくて夕飯は外で食べることに。

21時頃部屋に帰ってきたら、忘れちゃったけど金ローでジブリだかコナンだかやってて、Twitterでワイワイ実況参加しながら買って来たオシャレ八つ橋つまんで風呂入って、翌日の予定立てて就寝。

しばらくして、もの凄い汗びっしょりになって目が覚めた。
目が覚めたんだけど、動けない。

疲れてるから金縛りかな?と思ったのだけど、手の指を誰かが掴んでる感触。
右手を布団から出して手のひらを上に寝てたみたいなんだけど、その指を上下から四本指で挟んでる。

目が開かないから見たわけじゃないんだけど、影絵の狐の時の形みたいな形状で摘んでる画が頭の中に浮かんだ。

年は4?50くらいの中年の中肉中背っぽい手の男性。
ワイシャツの白い袖までハッキリ見える。

あんまりリアルな感触と脳内映像で、幽霊というよりホントに人が入って来たのかと思った。

「誰かいる!誰かいる!」と、気付いたら必死に叫んでた。

ハッキリ言葉にならなくて「だれあいう!!」みたいな感じだったと思うけど、怖くてそんなの関係なかった。

「だれあいう!だれあいう!」

誰かに連絡取らなくちゃと左手で必死にスマホ掴んでロック解除したら、右手の指の掴まれてる感触も消えた。
代わりにバタバタと部屋の出入り口(ベッドの足側にある)に向かう気配、そしてドアを開けて出ていく音。

あードアの鍵かけ忘れてたんだ・・・と、ようやく動くようになった体起こして見てみたらチェーンまでしっかりかかってる。

少し遅れて廊下からスリッパの足音と、別の部屋にドア開けて入って行く音。
これはもしかしたら私の叫び声が聞こえて他の部屋のお客さんが出て来たのかな?と思って恥ずかしかった。

でも「ドアを開けて出ていく音」は室内から聞こえた。

時間を見ると午前1:30。
3時くらいかとばかり思ってたから、フライング丑三つ時だろ!!ってちょっと腹立った。

怖かったから鍵は確かめたけど廊下までは確かめなかった。

その後は宵っ張りのフォロワーさんと他愛もない話して、スマホに入ってる数年前に死んだ猫の写真眺めてたら怖さ消えて来たのでもう一度寝た。
何も起きずに朝まで爆睡。

オチとしてはその後事故物件サイトでそのホテル見てみたらがっつり載ってました・・・。

平日とは言え、夏休みシーズンに誰も泊まってなかったのは何かあるからなのかな。
あんまり怖かったんで、知らないホテル予約する時は事故物件サイトを見てから取るようになりました。

事故物件ホテルで残室1はもう二度と取らないようにします。