中学の時、諸事情で引っ越ししてボロい長屋の引っ越した。

親父、俺、姉の3人構成。
2階建ての下に親父、階段上がってすぐの部屋が姉、すぐ横にふすま挟んで俺の部屋ね。

はじめの1,2年はほぼ変わったことはなかった。
ただ階段上がってすぐの場所に何度か違和感を覚えたことがあったんだ。

階段上がって部屋に一歩踏み込んだ瞬間にふっと足の力が抜けたり、軽く肩を押された感じが2、3回くらいあった。

全部昼間だったこともあって疲れてるのか?程度に思ってたんだが、住んで3年目あたりに見たんだわ。

普段は夜に俺一人になるってことは無くてその日初めて俺だけになった。
姉はよく夜遊びで居ないことはあったけど、親父が仕事だかで帰ってこない日があった。

普段は下で飼ってる小型犬を連れて自分の部屋でゲームしてたんだけど、夜も遅くなって、さぁ寝ようかなって思ってボロいせんべえ布團に入ったけどたまにはベッドで寝たいなって思い、姉のベッドで寝ることにしたんだよ。

電気消してベッドで横になって寝ようとしたんだけど、犬いるの思い出して呼んだんだ。
だが全く来ないわけ、普段呼んだら尻尾振ってすぐ来るのに・・・。

何回呼んでも来ないから起き上がって、俺の部屋の方に目を向けた瞬間に、俺の部屋と姉の部屋の境目、今まで違和感感じた場所に青白い光はなった。

ワンピース?着た女が立ってたんだよ。

目線は犬に向けてるから下の方しか見てないから、ちょうど足から胴あたりまでしか見えなかったんだけど、とりあえず!!!???で、何が起こったのかが理解できなかった。

犬呼ぼうと振り返っただけなのに何?!
そっから幽霊???!!!ってなって金縛り状態。

動かないんじゃなくて究極に力を抜いた状態、動こうと思えば動けたかもしれない。
でも思考がそっちに回らず、ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイって目線も反らせず、女の足付近を凝視してたらスーーッってただでさえ透けてる青白い光なのに薄らいで消えてったの。

その瞬間に犬がダッシュでこっちに走ってきた。
おそらく犬も見えてたんだろう・・・。

その後は家の明かりフルにつけて布団にくるまりながらゲームをして朝まで過ごした。
それを見たのはその一回きりで違和感もその日からパッタりなくなった。

散々霊は否定的だったのにすごい複雑だった。
まず足あんのかよって思ったし、ワンピースと青白い光ってテンプレ通りだったのもあれだ。

犬の件がなければ寝ぼけてただけで済ましたかもしれないけど、その日から霊に対する価値観は変わった。