田舎といってもある程度人口密度のある住宅地。

ある木造の借家に老人が一人で住んでいたが、遠くに住む妹(といっても老婆だが)の所へ引っ越したらしく、今はその家は無人となっていた。

その借家の大家は契約更新料の支払いが無いことから契約は切れたとして、「結構古い木造だから、ついでに借家を建て替えるか」と思い立ち、さっそく建て替えを業者に頼んだ。
業者は建て替えの為に借家を解体。

解体された借家の床下から、一体の白骨死体が発掘された。

業者はすぐに警察に連絡。
連絡を受けた警察はすぐに調査を始め、身元を調べる為に区役所に協力を仰いだ。
そこである事実が判明する。

白骨死体の身元は、以前借家に住んでいた老人。
妹の所へは引っ越していなかったのだ。

殺人か?

一時は騒然となったが、もともと老人に持病があり、さらに老人は、姿を見せなくなる少し前から痴呆の症状が確認されていたこともあり、「床下に入った時に、持病の発作で死亡した」との結論に至り、捜査は終了した。

亡くなった老人は何を思って床下に潜り込み、何を思いながら死んだのかはわからないが、隣人だろうが血を分けた兄弟であろうが、つながりがなくなったら白骨遺体で発見されるまで気付かれないのだな。