今でもトラウマになってる思い出。
オチも何も無いんだけど、俺にとっては怖かったんで書かせてくれ。

小5の頃、クラスにMという太った奴がいた。
そいつは体臭が酷くて性格も暗くて、何か気色悪い奴だった。

で、そいつがいっつも、いーーっつも爪噛んでんの。
授業中もノート取るとき以外、ずっと口に手を入れてて、喋っててもすぐに爪噛み出す。
しかも手を洗わないから、クラスの奴らはみんなMを避けまくってた。
担任には仲良くしなさいと何度も怒られた。

で、Mの爪なんだけど、いつも噛んでるせいでめちゃくちゃ短かったんだよ。
普通の奴の四分の一ぐらいしかない。
ここまでくると噛みづらいらしく、噛みきらずに爪を歯で挟んでしゃぶってる感じ。
が、それでも噛み続けてるうちに爪がフニャフニャになって剥げてきたらしい。
俺も横を通る時にさり気なく見てみたりしたんだけど、その噂は本当だった・・・。
変な方向に反り返ってて、何かぐにゃぐにゃと波打ってるような形。

それも見た感じ全部の指がそうだったし、爪の内側の肉が見えてるしでマジで気持ち悪かくて、もう本当にとにかく気持ち悪かった。

当然、噛んでる本人も痛いらしくて、授業中に「ヒィ」「うっ・・・ぐぐ・・・・・・」とか呻くんだよ。

めちゃくちゃ痛そうに。
でも絶対やめないの。
チラッと顔見るとマジで痛そうに顔歪めてて、その顔と声だけで怖かった。

この頃からクラスの奴らとよく「Mが怖い」ってヒソヒソ言い合うようになった。
最初は「汚いデブwww近寄るなよwwwww」ぐらいだったけど本当に怖くなってきたんだな。

女子なんか泣きながら、先生に「Mくんが怖いです」って言ってたし、先生も見かけるたびに注意するようになったけど、それでも止めない。
怒って手を引き剥がしても、また痛そうーーーにヒィヒィ言いながら噛み出すんだな。
終いには全校集会の時、校長先生がこの話をするまでになった。

と言っても「近頃、授業中に爪を噛む子がいると聞いています。学校では止めましょう。先生に注意されたら聞きましょう」を10倍ぐらいの長さでダラダラ言った程度だったけど。
ちなみにMはそれでもやめなかった。

あと、3,4年の頃クラスが一緒だった奴(二年ごとにクラス替え)は、Mは4年生の冬頃から爪を噛むようになったと言ってた。

でも当時は注意されれば止めてたっていう。
Mがあんなに爪を噛んでた理由は今でも分かってない。

ついでに、確かこの辺でクラスに私語がめちゃくちゃ増えてMが呻く声は、あんまり聞こえないようになってた。
私語を注意されたらみんな「Mが爪噛んでて声がキモいんだよ!」と言うし、机も大げさなほど離してた。(俺も近くになっちゃったらそうした。)

Mはそんなクラスメイトの反応に何度も泣いてたよ。
でもやっぱり爪噛むのをやめないんだな。泣きながらでも指を口に入れていた。

そんなこんなしてる間に、Mの爪は本格的にフニャフニャになって剥げたらしい。

ある日、中指(確か)に包帯をしてきて、やっと家族か先生が噛めないように強硬手段に出たのかと思ったら、剥げたんだと言ってた。
心底気味が悪かったよ。もうMが近くを通るだけで怖かったw

それから二週間に一回ぐらい(?)の頻度でMの指の包帯は増えていってた。
でも、剥げてもしばらくしたら爪は生えてくるらしく、そしたら包帯を取ってしまう。で、ちょっとしか生えてない爪をしゃぶって、また剥がす。

何度かあった思い出は、Mが授業中に、すごく言いづらそうに先生に声を掛けてたことだ。

「あのう・・・」と小さい声で言って、気づかれなかったらまた「あのう・・・」。
それでも気づかれなかったら、ちょっと手を挙げる。
で、聞かれたら「爪が剥がれたので、(保健室で)包帯もらってきます」。

最初は先生がオロオロしながら「剥がれた爪はどこにあるの?」って聞いてたけど、Mは答えなかった。
Mは噛んだ爪をいつも食ってた。

関係ないけど当時の担任は、産休から戻ったばっかの女の先生だった。
だから多分、随分と対応に困ってただろうなと思う。

大した話でもないのにダラダラ書いてすまん。
これで最後。

ある日友達の家で遊んでて、ウノすることになった。
で、そいつの家には無かったし、丁度俺は学校にウノを置いてたから、学校近かったし取りに行ったんだよ。

それで教室に入ろうとしたら、中から「うっ、う゛う゛う、ううううう、おお」って声がしてくる。

Mが号泣してた。
抑えようとしてるけど抑えられないっていう感じの苦痛の呻きだった。

俺はビビリだったんでそれだけで足がすくんで、教室に入る気は無くなった。
でも幸いなのか、ちょっとだけ教室のドアが開いてたんだな。

それで怖いもの見たさでで、ドアから離れて覗き見てみると、ガジガジって擬音がつきそうなぐらいの勢いでMが爪を噛んでた。
もう涙ボロボロで鼻水も出まくり。
鼻水垂れてた。

あまりに痛いからなのか顔傾けて両目細めて、それでも何か異常な勢いでガリ!ガリ!ガリ!と噛んでる・・・。
肘めちゃ上げてた。

で、爪をくわえたまま思い切り「ばり!」と顔を離すのも見てしまった。
めっちゃくちゃ痛かったらしく、一拍置いてから、「・・・・・・っ、うわあああああ、うう、うううあああああ、うううう!!」と声を上げて泣く。

別に目が合ったとかそういう面白いことは一切無かったんだけど、俺はとにかく怖くて泣きながら帰った。

友達の家には戻らずに、即帰ってカーチャンに話した。

翌日からはMに会うのが怖くて登校拒否。
卒業式以外は完全に行かなかった。
で、大事な用がある時は先生に来てもらってた。

何せその時のMが怖くて、比喩でなく毎日夢に見てたんだよ。
それで体調も崩してカウンセリングにも行ったし、睡眠薬との付き合いも始まった。

ちなみにMは、6年の半ばあたりでだんだん爪を噛まなくなって、今ではごく普通の太った人になってるらしい。(同窓会出てないので直接は見てない)
全く意外な展開とかはない思い出話でスマソ。