俺を産んでから1~2日くらい?母ちゃんが産後でまだ入院してた日の夜。
母ちゃんは急に金縛りにあったらしい。

体動かないし、声も出ないしで軽くパニくっていると、横のベビーベッド(中には俺)の方からなんだかヒソヒソ話をする声が聞こえた。

必死に視線だけそっちにやると、ベビーベッドの周りを青白い顔をしたジジババが何人も取り囲み、「この子かな、この子だね・・・」とヒソヒソしていたらしい。

うちの子が何?
ていうかあんたら何!?
うちの子をどうするつもり!!?

完全にパニくった母ちゃんは、それでも初めての子を奪われまいと、金縛り状態から
根性で「連れてかないで!」とだけ声を絞り出したそうな。

その瞬間、ジジババたちはサーっと消えたそうだ。

次の日母ちゃんは自分の母ちゃん(つまり俺の婆ちゃんな)に相談した。

婆ちゃんは「そういう時はね、(俺)の枕元にハサミを置くのよ」と言われたらしい。
で、ハサミを置いたら実際にジジババは出なくなったらしい。
これが母ちゃんが体験した話。

ついでなので、俺が霊の声を聞いたかもしれない話もするよ。

爺ちゃんが手術で入院した時のこと。
手術が無事終わった後、俺と母ちゃんはホテルに泊まって、婆ちゃんは爺ちゃんに付き添って、同じ病室に泊まったんだ。

で、俺は母ちゃんに言われて婆ちゃんに晩飯の弁当を持って行ったんだ。

夜8時か9時ごろだったかな。
面会時間はもう終了してて、裏口からこっそり入ったんだ。

常夜灯だけの病院の廊下を、弁当ひっさげて歩いていると、「ねえっ!」と声をかけられたんだ。
思わず「えっ?」と振り向いても誰もいないし、何かが動いた様子もない。

きょろきょろと周りを見ても、壁のシミが人の形に!とか、怪談でありがちな異変もない。

それは小さな女の子っぽい声だった。
病室から離れた場所で幼女の声を聴くはずもない。

不思議だなあと思いつつ、弁当を婆ちゃんに届け、母ちゃんに「俺今、霊の声を聴いたかもしれないww」と報告したところ、「ふうん、あの病院まだ出るんだ」と言われ、そのうえで上記の話をしてくれた。

その病院、母ちゃんが俺を産むときに入院していた病院だった。(田舎だから大きい病院がそこしかないんだよね)

母ちゃんは「産後で気が立っていて、変なものを見ただけかもしれないね」と言っていたし、ハサミを置いてから消えたってのはまさしくプラシーボ効果のキキメ?だった可能性がある。
俺のに至っては「空耳乙」で終わる話だし、霊感がないからそれらがなんだったのか
まったくもってわからん。

でも、あの病院には俺を待ってるナニかが、まだいるのかもしれない・・・。
とちょっと思ってしまったよ。