私は昨年まで外資系の企業に勤めていた。
ある時、私にC国へ出向してほしいという打診があった。
会社はC国に工場を所有しており、そこの技術者に日本の工場で採用されているシステムを修得させるのが目的だった。
長期とは言っても、現地スタッフによる運用が可能となるまでの期間限定の出向だ。
現地での待遇も、帰ってきてからのポストも非常に良い条件だった。
私は少し考えた上で承諾した。

C国の工場で引継を終えた夜、私は前任者と食事を共にした。
前任者(仮にT氏としておく)は赴任してから半年後に、健康上の理由から日本への帰国を希望していた。
目の前のT氏は、確かに頬がこけていて顔色が悪く、心身共に疲れ切っているような印象だった。続きを読む